気候変動の研究は様々な科学技術の集大成である。地質学はもちろんのこと、生物学、物理学、化学、あらゆる分野の発見が気候変動の研究に新たな知見をもたらす。観測技術の進歩により新たな研究が可能となることも多く、新たな発見により定説が覆り続けている。本書はそうした歴史を誠実に描いたものである。
研究者の手による本であり、参考文献による裏付けがしっかりしているので安心して読める。それだけではなく、図版が非常に豊富なのが一般読者にはありがたい。科学的な内容だけではなく、関係する科学者たちの素顔が垣間見えるのも嬉しい。
気候変動の問題は地球温暖化の文脈に組み込まれ政治問題化しているが、そこに与して短絡的な二酸化炭素悪者論に陥るようなこともなく、現在確からしいと思われている事実に基づいた誠実な解説を行っている。

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