アナスタシア・マークス・デ・サルセド (著), 田沢恭子(訳), 戦争がつくった現代の食卓 軍と加工食品の知られざる関係

現代のスーパーマーケットで手に入る便利な食品の多くが軍隊生まれであり、さらにその多くが米陸軍出身である。缶詰、レトルト食品、フリーズドライ、パック入りの加工肉、エナジーバーといった身近な食品の数々。いずれも持ち運びに便利で、すぐに食べられ、常温で長期保存でき、手頃な価格で、万人に愛される味。これらの特徴はすべて軍隊で求められるものと共通だ。本書は、それらの食品を生んだ米陸軍のネイティック・ソルジャー・システム・センター (ネイティック研究所) への取材や膨大な文献調査により、軍隊と加工食品の関わりを追った労作だ。

学術書に近いかなり硬めの本で、図版はまったくなく読み物としては少々退屈ではあるが、身近な食品の意外な由来を知る上ではこの上ない良書。

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