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ゲーリー・S・ベッカー(著), リチャード・A・ポズナー(著), 鞍谷雅敏(訳), 遠藤幸彦(訳), ベッカー教授、ポズナー判事のブログで学ぶ経済学

The Becker-Posner Blogのより抜きを翻訳したもの。後半にはベッカー教授のBusinessWeek誌の連載も収録。Blogは双方がやや遠慮しているせいもあるのか、激しい討論というよりはやや落ち着いた議論となっている。率直な深い議論が行われているのはむしろ後半のベッカー教授の単著の部分。こちらは視点も論理展開もなるほどとうならせるものが多い。
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全日本コール選手権 with みうらじゅん

飲み会のコールを競おうというバカ企画。明らかに地上波放送では無理な内容でDVDのみ。内容はそのままのストレートなものだが、勢いだけは伝わってくる。みうらじゅんの適当な解説も実に良い。
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ピエール・バイヤール(著), 大浦康介(訳), 読んでいない本について堂々と語る方法

本来は読んでいなければならないはずの本を読んでいないということを半ば自虐的ながらも肯定的に捉え、その上でその本について語るにはどうするべきかということを論じた本。そもそもある本を読んだとはどういうことなのかという根源的な問題まで改めて考えさせられる良書。おすすめ。
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鈴木みそ, ナナのリテラシー (1)

リテラシーというよりはコンサルタント的なお話。おそらく、"銭" の後継作品という位置付け。1巻目のテーマは出版。構造的に衰退産業となっている出版業、特にマンガの世界のリアルなお金事情を描いてしまうあたりはさすが鈴木みそ。どこまでがノンフィクションでどこからがフィクションなのかを掴ませないところも見事。
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アンドリュー・パーカー(著), 渡辺政隆(訳), 今西康子(訳), 眼の誕生 カンブリア紀大進化の謎を解く

カンブリア爆発の原因は眼の誕生にあったとする説。聞いてしまえば当たり前に思えるが、そこがコロンブスの卵と言えるところだろう。その当たり前の結論に辿り着くまで、少しづつ外堀を埋めていくような構成が見事。上質の推理小説を読んでいるような印象を覚える。翻訳の質もよく、一気に読みきってしまった。おすすめ。
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みうらじゅん, さよなら私

みうらじゅんらしいユルい人生論。共感できる部分が多く憧れもするが、おそらく自分はここまで達観できないだろうとも思う。
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マイケル・ブース(著), 寺西のぶ子(訳), 英国一家、日本を食べる

イギリス人シェフとその家族が3ヶ月に渡り日本を食べ歩いた記録。無理に日本を持ち上げることなく、ところどころ素直に文句をつけながらも、日本の食事に馴染んでいく姿が良い。また家族連れということもあり、グルメガイドだけではなく旅行記としても良い仕上がりになっている。
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荒川弘, 百姓貴族 (3)

前巻はやや借り物のネタが多かった印象があるが、ここに来てパワーアップして復活。結婚と出産を経て、荒川弘ならではのネタが増えたのが大きいか。
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クリストファー・ウィルズ(著), 近藤修(訳), 暴走する脳 脳の進化が止まらない!

ミトコンドリア・イヴにはじまる人類の進化史を脳に着目して追った科学啓蒙書。脳の進化の歴史を扱っているものの、進化論一般の解説が多く、予備知識のある向きにはやや退屈かもしれない。特に後半は中立進化説やその理解のために必要な基礎知識に多くのページが割かれており、教科書を読んでいる気分になってくる。
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小関順二(監修), プロ野球スカウティングレポート2014

今年も開幕が近づき、スカウティングレポートの季節。昨年度版から大きなフォーマットの変更はなく、落ち着いてしまっている印象。競合がほとんどなく改善のインセンティブがないのは分かるが、少しづつでも改善して欲しいとは思う。