book

谷岡一郎, 40歳からの知的生産術

生産 "術" との名前が付いているものの、技術的な面よりも精神論が多い。序盤のタイムマネジメントに関する3章は頷ける点も多いが、その他は雑多な内容であまり一貫性が感じられない。また、全体を通じてお年寄りの説教調なのはご愛嬌か。
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島居里至, 35歳3億円サラリーマンのホントに稼げる情報獲得術

自分はこうやって成功したという自慢話。主観的な内容ばかりなので、話半分に。カジノでマーチンゲール法を使って勝ったという体験談を得意満々に語るエピソードが象徴的、と言えばわかってもらえるだろうか。
book

長谷川英祐, 働かないアリに意義がある

アリやハチのコロニーに働かない個体がいる理由や働かない個体を決める仕組を、反応閾値モデルに沿って解説。後半には、利他行動をとる理由を説明する血縁選択説や群選択説、社会寄生が行われている事例の紹介なども。一般読者向けの啓蒙書の体裁ではあるが、専門家の間でも議論が割れている事柄やよくわからない分野を煙に巻くことなく、科学者としての真摯な姿勢で事実をきちんと説明しているのが素晴らしい。
diary

マリーンズ vs. ライオンズ @ QVCマリンフィールド

今期公式戦初観戦。何回聞いてもQVCマリンフィールドの名前が覚えられない。結局千葉マリンと呼び続けている先発の唐川の調子は今ひとつ。ボール先行で毎回のようにピンチを招くが、それでも6回1/3を2失点にまとめたのは立派打線の方ももう一本が出ない。2回に野上を一度捕まえた後、6回途中まで粘らせてしまう今一番頼りになる中継ぎは益田か。マウンド度胸も申し分ない。登板過多がやや心配ではあるが守備を見ているとやはり田中雅彦が不安材料。インサイドワーク以上に捕球やブロックに粗さが感じられる...
book

小峯龍男, 図解 古代・中世の超技術38 「神殿の自動ドア」から「聖水の自動販売機」まで

タイトルだけを見るとオーパーツを扱ったトンデモ本の様だが、ブルーバックスなのでそんなことはなくまともな技術本。メカトロニクス系の技術が中心だが、図版が豊富なので専門外の人間でも理解できる。半導体の無い時代にここまでできたのか、という素直な驚きとともに、人間の知恵に感心せざるをえない。
book

羽根田治, ドキュメント 道迷い遭難

道迷いに起因する遭難の事例が7つ。いずれも生還したケースだが、一歩間違えれば死亡していたものばかり。遭難者のインタビューや手記を元に執筆されており、遭難に至る過程での心理状態がよくわかる。そういった状況下で平静を保ち、「おかしいなと思ったら引き返せ」、「道に迷ったら沢を下るな」といった山のセオリーを守ることの難しさが実感できる。また、道迷いの原因となった地点の写真もいくつか掲載されているが、遭難者を責められないと思えるものも多い。遭難は他人ごとではなく、身近にあり得ることであ...
comic

石田敦子, 球場ラヴァーズ 私が野球に行く理由 (1)

暑苦しいまでのカープ愛が溢れるマンガ。無理に各登場人物のエピソードをカープに重ねなくとも、と思うが、さすがにそうでもしないとストーリーが成り立たないか。特別付録の "野球戦隊セ・リグンジャー" が妙にマニアックで素晴らしい。コアな野球ファンでないと分からないネタが多いけど。
book

九鬼太郎, “超” 格差社会・韓国

韓国の現状について、教育熱と受験戦争、財閥支配の企業の実情といった切り口から。著者は在韓の企業家のため全体的に韓国贔屓を感じるが許容範囲。韓国の圧縮成長を可能とした背景や、その無理が生んだ歪みが実感として伝わってくる。
book

守能信次, スポーツルールの論理

スポーツのルール、特にルール完成後に輸入されたスポーツのルールには、なぜそのルールがあるのか分からないものも多い。本書の提案するスポーツルールの四分類はそんなルールを理解する助けになる。四分類とは、フェアプレーやスポーツマンシップといった成文化されないマナーを示す条理的行動規範、限度を超えた身体接触などの成文化されたマナー違反を表す刑法的行動規範、野球の走者がどちら向きに走るかなどの単なる決め事に過ぎない行政法的行動規範、バスケットボールの24秒ルールなどのゲームの面白さを担...
book

山本利夫, 即席麺サイクロペディア (1) カップ麺 2000年編

即席麺サイトの老舗中の老舗、即席ラーメンは即席ラーメンを運営する山本利夫氏の著作。蓋写真と簡単なコメントだけの構成だが、1980年代から現在までの即席麺を幅広くカバーしているのには頭が下がる。読み物として面白いかというと微妙だが、カタログ的に眺めて楽しむには申し分ない。