book 板橋悟, ピクト図解Lite の要約版がiPhone Appとして提供されていたので読んでみた。完全版は$5.99だが、要約版のLiteは無償。要約版しか読んでいないが、そのエッセンスはよく理解できる。要はモノとカネの流れに注目して図を書いてみようというだけなのだが、当たり前に見えても言われてみないとなかなか気付かないコロンブスの卵。 2011-01-18 book
book John Dewan, The Fielding Bible 著者の欄にはJohn Dewanの名前しか書かれていないが、実際にはBill Jamesが大きく関与している。実は野球の守備に関する統計は、ここ130年ほど進化していなかった。すなわち、試合数、刺殺、補殺、失策、守備率といった野球の黎明期に考えられた指標が惰性で使われ続けてきた。本書は、それらに代わる新たな守備指標を整備しようという野心的な試み。主に以下の4つの指標が用いられる。Relative Range Factor以外は地道な画像分析を基に算出した数値なので個人で検証す... 2011-01-16 book
book ダイアン・コイル(著), 室田泰弘(訳), 矢野裕子(訳), 伊藤恵子(訳), ソウルフルな経済学 格闘する最新経済学が1冊でわかる 「今時の経済学って何をやってるの?」という素朴な疑問に答えてくれる本。あまり読みやすい本でも、読んで面白い本でもないが、経済学というものが浮世離れした数式を扱うだけの学問ではないということはよく伝わってくる。 2011-01-15 book
hack tDiary 3.0.1へのバージョンアップ しばらくぶりにtDiaryのバージョンアップを行った。今回は2.2.2から3.0.1へのメジャーバージョンアップだが、あまり面倒な手順はなし。tdiary.conf等の設定ファイルもほぼそのまま使えるし、目玉のUTF-8化もユーザが意識する必要はほとんどない。 2011-01-12 hack
diary 野球のOR 完全に時期を逸してしまった気もするが、鳩山由紀夫前首相の野球のORを読んでみた。まだセイバーメトリクスもほとんど普及していない1979年の論文でありながら、野球の数理的解析に手を出していたという目の付け所は素晴らしい。政治家としてはともかくとして、研究者としては優秀だったことが良くわかる。論文の柱となっているのは、セ・リーグの現役の全打者の通算成績から出塁率、四死球率、単打率、二塁打率、三塁打率、本塁打率だけを抜き出して、リンゼイ・パルマーモデル相当のものを再構築してしまおう... 2011-01-08 diary
book 城繁幸, 3年で辞めた若者はどこへ行ったのか アウトサイダーの時代 昭和的価値観を廃してどう生きるべきかを示した本。タイトルは前作のが売れたために営業的な理由でつけられたものらしく、内容とはあまり関係がない。この手の労働関連の本をある程度読んでいる人には目新しい情報は少ない。 2011-01-07 book
book ケン・スティグリッツ(著), 川越敏司+佐々木俊一郎+小川一仁(訳), オークションの人間行動学 最新理論からネットオークション必勝法まで オークション理論の主要なところがよくまとまっている。副題には "ネットオークション必勝法" と勇ましく書かれているが、Yahoo! オークションなどで広く行われている2位価格オークションでは自身の評価値そのままを狙い撃ち入札するべきという当たり前と言えば当たり前の結論が導かれている。数学的に興味深いのは、2位価格オークションと1位価格オークションの様に異なる形式のオークションが戦略的同値であり、正しいビッドシェイディングが行われれば売り手の期待収入も買い手の余剰も同一となると... 2011-01-06 book
book 高橋洋一, 日本経済のウソ 帯に踊る "勝間和代氏推薦!!" の文字に一瞬怯んだが、内容は真っ当。長らく続いている日本のデフレ状況について、その原因を日本銀行の失敗に求める。日本銀行は意図的に-1~0%のデフレを作り出しているという説は、その真意はともかくとして状況証拠は十分。 2010-12-31 book
book 岡本かの子, 老妓抄 表題作の老妓抄の読後感の悪さが素晴らしい。それなりに好きなことができていて、それなりに生活にも不自由していないと感じている技術職・研究職の人間は一度読むべき。言いようのない罪悪感を感じてしまう。 2010-12-22 book
book 沖浦和光, 幻の漂泊民・サンカ 日本の山中で漂泊生活をしていたサンカの起源に関する調査書。柳田国男の唱えたロマン溢れる先住民起源説に反論し、近世後期の貧窮民が山に入りサンカ (山家) になったという説を提唱する。もっとも、サンカの歴史が比較的浅く、近世以前に存在しなかったという証明は悪魔の証明となるのでやはり難しい。調べた限りではこの時代の文献にサンカに関する記述が見あたらない、といった歯切れの悪い書き方になってしまうのは仕方のないところ。サンカ研究をする上では避けて通れない三角寛の著作の検証も面白い。膨大... 2010-12-21 book