book 橘玲, 朝日ぎらい よりよい世界のためのリベラル進化論 朝日新聞のリベラリズム (戦後民主主義) が嫌われ、日本のリベラルが退潮しているように見えるのは、それらがグローバルスタンダードのリベラリズムと乖離しているためと説く。グローバルスタンダードのリベラル (ネオリベ) に最も近いのは現在の自民党政権の経済政策だが、安全保障の分野では保守の立場を取っていることから右と左の関係が混乱し、リベラルの理解が妨げられているのだろう。 2021-03-19 book
book 米本和広, 島田裕巳, 大川隆法の霊言 神理百問百答 米本和広にしては珍しい、ユーモアたっぷりの大川隆法本。氏の著作をしっかりと読み込んだ上で大村英昭や佐伯真光といった本職の学者に裏を取ってのツッコミはさすがとしか言いようがない。島田裕巳による大川隆法の出自からの心理分析は少々邪推が過ぎるとは思うが、さもありなんと思わせる部分がある。 2021-03-16 book
book 宮口幸治, ケーキの切れない非行少年たち 表題はキャッチーだが、中身はきちんとした発達障害の啓蒙書。現在多くの施設の治療プログラムの根幹となっている認知行動療法に異を唱え、そもそも認知能力に問題がある場合の効果が懐疑的であると説く。著者の児童精神科医としての勤務経験に基づいた理論は実に説得力がある。 2021-03-13 book
comic カルロ・ゼン(原作), 石田点(漫画), テロール教授の怪しい授業 (1) テロリストやカルトをテーマにしたマンガ。特に彼らの標的となりやすい大学を舞台に、その実態や見分け方を学べる。 2021-03-11 comic
book 新庄耕, 地面師たち 今作のテーマは地面師。明示的には書かれていないが、積水ハウスの地面師事件から着想を得たのだろうと思われる。膨大な取材を重ねたことを伺わせる細かな描写の数々は著者の真骨頂と感じる。登場人物の造形も素晴らしい。 2021-03-09 book
comic 岡本健太郎, 山賊ダイアリーSS (1) 一旦完結した山賊ダイアリーが装いも新たに魚突きとサバイバル系キャンプで新連載。また目線が変わって面白いが、続編が出ないのは打ち切りか作者のモチベーションの問題か。 2021-03-05 comic
comic 岡本健太郎, 山賊ダイアリー (7) さすがに7巻ともなるとややマンネリ感があるが、安定した面白さ。マサムネ君の引退もあり、区切りをつけるには良いタイミングか。最後は先細りの狩猟の未来をしんみりと語って締め。 2021-03-04 comic
book 詠坂雄二, ドゥルシネーアの休日 詠坂雄二には、作品ごとにガラリと変わる作風に驚かされる。今作は単純なミステリではなく、アクションやサスペンスの要素を見事に織り込んでいる。事件に大きな影響を与えていることを匂わせながら一向に姿を見せない主人公 (?) も新鮮。 2021-03-03 book
book 鷲田小彌太, 大学教授になる方法 ユーモアあふれる文体からネタ本かと思いきや、意外に実用的な内容。 書かれたのはバブル末期の1991年、もちろん国立大学改革など議論にも上っておらずポスドク問題も顕在化していない頃なので、まだ大学教授がおおらかな職業であった時代を感じる。また事例が人文系に偏っており、理工系は事情が異なるようにも思う。 それでも大学教授という職業をモラトリアムという視点から見つめるというのは新鮮であり、今でもそれを志向する人は読む価値がある。大学教授の給与などが包み隠さず書かれているのも良い。 2021-03-01 book
comic 吉本浩二, 定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ (2) ついにあのステーション・バー村田が登場。ネットではこの怪人のインパクトばかりが喧伝されているが、こづかい0円男や書斎を失い車で過ごす夫など他の登場人物もなかなか。1巻からの異常なポジティブさも健在 2021-02-27 comic