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デビッド・パークス(著), ロス・ブライアン(著), 友清仁(訳), 最強軍団アメリカ海兵隊

アメリカ海兵隊の解説書。著者は海兵隊の広報誌の編集などに携わっていることもあり、ところどころに広報の匂いがする。しかしながら、その分を差し引いても入門書としては非常に優れており、海兵隊という組織を大掴みするには十分な内容。
book

Lynd Ward, Mad Man’s Drum: A Novel in Woodcuts

120枚の木版画により語られる不思議な物語。David A. Beronäによる冒頭のIntroduction以外は一切文字もなし。丹念に読めばおおまかなストーリーは理解できるが、中盤以降の細かな解釈には確信が持てない部分が多い。笛吹きの正体は何か、昆虫学から天文学への転向の意味するところは何か。
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松田道弘, 世界のジョーク事典

大御所の松田道弘が編んだジョーク集。分類が、ある時はジョークの種類だったり、ある時はジョーク内の要素だったりと安定しないが、各ジョークの質は悪くない。
comic

秀良子, おしゃべりは、朝ごはんのあとで。

外食での朝食をテーマにしたゆるめのエッセイコミック。表紙は一見BL風だが、主役はこの男性ではなく作者である黒い小人の方。食べ歩きの企画自体に新味はないが、マンガとしての完成度は高く、くすりと笑える小ネタも多い。
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山本佳世子, 研究費が増やせるメディア活用術

表題はやや誇大広告気味で、直接的に研究費の獲得に繋がる話題はほとんどなし。大半を占めるのは研究者とマスコミの付き合い方の話題。著者は日刊工業新聞に務める傍ら大学の非常勤講師も務めているが、立ち位置は完全にマスコミ寄りで、マスコミの論理を正当化するための記述が目立つ。
book

川島博之, 電力危機をあおってはいけない

いわゆる脱原発論だが、自然エネルギー派ではなく、人口減により必要な電力が減っていくので石炭・石油・天然ガスで十分にまかなえるとの論。データも出自がしっかりしているものが多く、理論的なギャップも少ない。ただし、本書の対象はあくまでも電力であり、エネルギー全般を論じているわけではない点には注意が必要。数字や計算式が多い本にも関わらず縦組みになっている点だけが残念。
movie

オフサイド・ガールズ

女性のサッカー観戦が禁止されているイランで、それでも試合をひと目見ようとスタジアムに潜り込む女性たち。日本人の感覚では想像しにくい窮屈な世界ながらも、決して暗くなり過ぎずに女性の逞しさを前面に押し出しているので余韻は悪くない。
book

都築響一, だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ

書店ガイドと書評を合わせたような本。全編から一貫して本への愛が感じられる。書評はややサブカルチャー寄りのものや写真集が中心だが、普段それらをあまり読まない自分にも興味を惹かれるものが多い。
book

リチャード・ワイズマン(著), 木村博江(訳), その科学が成功を決める

最新の心理学研究の成果を用いて、自己啓発本でよく語られる言説を検証している。文献調査もきちんとしており、主観的な記述ばかりの自己啓発本よりははるかに納得感がある。おすすめ。
book

京都純典(企画・監修), プロ野球本当の実力がわかる本 2013-2014

2009年度版以来の復活。相変わらずセイバーメトリクスの主要な指標を並べた表が掲げられているだけで工夫はない。野手の指標はOPS, SecA, TA, BB/K, PA/BB, IsoD, ISO, wOBA, wRAA, wRC, BABIP, RCAA, RC, RC27と、公式戦成績から算出できるもののみ。守備に関する指標は一切なし。投手の指標はQS%, FIP, WHIP, NP/IP< K/9, BB/9, K/BB, BABIP, RSAA, ゴロ率, フライ率,...