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中村敏雄, メンバーチェンジの思想 ルールはなぜ変わるか

中村敏雄の著作には、いつも自分のスポーツに対する無知を気付かされる。いくら現行のルールに基づいた戦術の良し悪しや個々の選手の技能を論じたところで、そのスポーツの成立した背景やその背後にある文化を知らなければただ虚しいだけとなる。本書はそのスポーツの歴史や思想に真っ向から切り込んだ論考をまとめたもの。現代の表面だけのスポーツジャーナリズムに満足できない方にはぜひ手に取っていただきたい。
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岩崎元郎, 間違いだらけの山登り 「知らなかった」ではすまされない62項目

登山初心者のよくあるミスを集めたもの。言っていることはもっともで、疎かにしていた点に気付かされたことも多いが、大半の項目が経験則や又聞きを論拠としておりエビデンスがはっきりしない点があるのがやや難。
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子安大輔, ラー油とハイボール 時代の空気は「食」でつかむ

外食系コンサル本。事例分析が中心なのは良いのだが、分析が後付け的なものばかり。さらりと目を通す読み物としては及第点。
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諫山創, 進撃の巨人 (1)

たまには話題の作品も。秀逸な設定と所々にある印象的な描写を見ると、評判となる理由は良くわかる。画力はやや難があるが、これから上達しそうな雰囲気は感じる。間違いなく最後まで読ませる力は持っている。インパクト優先で設定を作り色々と風呂敷を広げすぎている感があるため、最後が尻切れに終わらないかが心配ではある。
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湯浅ヒトシ, けずり武士 (1)

大江戸活劇のフリをしたグルメマンガ。現代基準で見ると素朴な料理ばかりだが、どれもこれも実に食欲をそそるものばかり。活劇の方はベタなストーリーではあるが水準以上。
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久住昌之, 食い意地クン

久住さんお得意の食エッセイ。新味はないが、安定した面白さ。今回は泉晴紀さんではなく本人自ら (おならブー太名義で) 挿し絵や装丁も手がけているが、これもヘタウマ系でなかなか。
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西口敦, 普通のダンナがなぜ見つからない?

著者はコンサル出身で、現在はオーネットのマーケティング部長を務めている方。女性対象の本だが、男性が読んでも面白い。数値やデータはどこからか拾い集めたものが中心で見たことがあるものも多いが、全体的に読み物としては悪くない。
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鬼頭莫宏, のりりん (1)

自転車布教マンガ。感情移入できないタイプの主人公なのがやや難だが、自転車視点と自動車視点の双方を取り込んでいるのは面白い。
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ASIOS, 奥菜秀次, 水野俊平, 検証 陰謀論はどこまで真実か パーセントで判定

前作までの超常現象から少し切り口を変えて陰謀論という目の付け所は良いのだが、取り上げられているネタが否定しやすそうなものだけに偏っているのが残念。信憑性をパーセントで示すというせっかく試みも、信憑性が低すぎるネタばかり選んでいるせいで全く機能していない。
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谷口ジロー, ふらり。

伊能忠敬 (と思しき人物) を主役に据えた作品。帯を見て、散歩ものの舞台を置き換えただけかと思いきや、これがなかなか。江戸の風俗をさりげなく取り入れているのに加え、人間以外の視点を持ち込むなど実験的な要素も面白い。