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デイジー・ウェイドマン, 幾島幸子(訳), ハーバードからの贈り物

ハーバード・ビジネススクールの学期最後の授業では、伝統的に教授自身の経験に基づいたアドバイスを与えるという風習があるらしい。そんな教授陣のトーク15本をまとめた本なのだが、これがそこらのビジネス本より遙かに面白い。リーダーシップ教育のエキスパートであるだけでなく、一流のビジネスマンであり、さらに充実したプライベートを持つ教授陣のエピソードからは、いわゆる教科書的なアドバイスではなく、血の通ったメッセージが伝わってくる。おすすめ。
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初音舞, 梶本琢程, 世界チャンピオン初音舞の世界に勝つ 麻雀国際公式ルール戦術本

買ってから1年ほど積まれたままになっていたが、その1年間に国際公式ルール (ちゅんま) を扱った本は全く出ていないので、いまだに最新刊。国際公式ルールの基礎から戦略まで一通り押さえられているので一冊目としてはおすすめできる (というより他に類書が少ないのであまり選択の余地がない) 。戦略面で本当に上達しようと思うとこの次の本が見あたらないところが少し悲しい。似非トーライの中国麻将カテゴリなどのwebを追うのが最先端か。
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架神恭介, 君主論太郎, 辰巳一世, 完全覇道マニュアル はじめてのマキャベリズム

マキャベリの名著であるの入門書だが、小学校をのクラスの覇権争いを題材にしているのが面白い。天下取りといっても、その実は小学校の勢力争いの延長ということだろう。文章が軽めの上、短めのストーリーに区切られているのでサクサク読める。しかしながら、40人のクラスでの覇権争いを描く都合上、序盤から一気に多数の勢力が登場するので、公式サイトにある5年3組勢力図を手元に置きながら読むのがおすすめ。また、覇権争いの合間に挿入される、ふくろう先生の解説が殺伐としていて実に良い。聞き手のはなこち...
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スー・シェパード, 赤根洋子(訳), 保存食品開発物語

乾燥、塩、酢漬けといった伝統的な方法から、冷凍、フリーズドライといった最新の方法まで、保存食品の歴史を網羅した本。あまり日本人になじみのない食品も多く収録されており、雑学本として楽しめる。ほぼ時系列順に並んでいるのを通して読むと、食糧の保存こそが文明の源であることを強く感じる。
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橘玲, マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで

まずはマネーロンダリングの実例であるカシオ詐欺事件、五菱会事件、ライブドア事件の具体的な事例の解説。その資金の流れは複雑に入り組んでおり、理解するのに一苦労。むしろマネーロンダリングの事例よりも面白いのが、マネーロンダリングに関連する各種のカラクリの解説。コルレス銀行・コレスポンデント口座、SWIFT、プライベートバンクの歴史、ハワラなどの解説はおすすめできる内容。
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西林克彦, わかったつもり 読解力がつかない本当の原因

スキーマに引きずられてしまうことで間違った「わかったつもり」になってしまう、というのには同意。ただし、これは読み手にばかり注意を促す問題ではなく、書き手の側でミスリードをしない書き方をする方が重要だとは思う。また、読みを深めるための具体的なテクニックにやや乏しいのが残念。文中では、補助として表を作ったり文章構造を図示したりといった方法をとっているが、これといった汎用的な方法が示されていないように思う。
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松永和紀, 踊る「食の安全」 農薬から見える日本の食卓

前作の食卓の安全学に続いて読んでみた。前作はメディアリテラシーに重点を置いていたが、今回は農薬にフォーカスした内容。普段は危険性ばかりが指摘される農薬だが、現在どのような規制が行われ安全が確保されているのか、またその厳しい規制によりマイナー作物たちにどのような影響がでているのかをわかりやすく解説する。また、2006年度に導入されたポジティブリスト制の解説も充実している。おすすめ。
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菊月俊之, 世界のミリメシを実食する 兵士の給食・レーション

に比べると収録されているレーションの種類が少なく、先進国に偏っている。しかしながら、この値段でオールカラーな上、レーションはもちろん、メスキットの写真や歴史資料も多数含まれているのが嬉しい。
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竹本健治, フォア・フォーズの素数

ミステリあり、ホラーあり、SFありのノンジャンルな短編集。「ボクの死んだ宇宙」や「熱病のような消失」などの放り投げられたような作品はよく理解できなかったが、表題作の「フォア・フォーズの素数」はおすすめできる。
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サイモン・シン, 青木薫(訳), フェルマーの最終定理

一時世間をにぎわせたフェルマーの最終定理。その当時の報道のほとんどはアンドリュー・ワイルズの業績に触れたのみであったが、実際にはそこに至るまでに多くの数学者たちの3世紀に渡る苦闘があった。谷山=志村予想やフライの楕円方程式からフェルマーの最終定理に至るまでの流れがよく整理されており、一気に読ませる。また一般書だからといって数学の論理から逃げることなく、それでいて数学の専門家以外にも理解させる構成は見事としか言いようがない。おすすめ。