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宮脇俊三

宮脇俊三のとをまとめ読み。 いわゆる完乗も最長片道切符も鉄の間ではポピュラーな遊びらしいが、その初期に実行して、かつ読み物として面白くまとめたというのは素晴らしい。鉄でない人にも十分に楽しめる。 通して読むとさすがに最後はダレてくるが、それもまたこのバカバカしい旅 (褒め言葉) の味かと思う。
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ジェームズ・T・キーティング, ネイティブチェックが自分でできる英語正誤用例事典

仕事で英語の文書を書かねばならないこともあるので、手元に何冊か英語のアンチョコ本を置いている。そんな中で、長く生き残っているのがこの本。 避けるべき無駄な単語やくどい言い回しは実に参考になる。また、細かい規則や約物の使い方など、意外に見落としがちなものも拾えて少し得した気分になる。手元に置いておき暇なときにパラパラとめくるのにもお勧め。 ただ、"ネイティブチェックが自分でできる" というのはいくらなんでも過大広告だと思う。
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小室直樹, 経済学のエッセンス 日本経済破局の論理

小室先生お得意のケインズ、サムエルソンのマクロ経済学の入門書。経済学のエッセンスであるところのケインズモデルの解説のわかりやすさに加え、この文庫のために加筆された「平成大不況のエッセンス」がまた素晴らしい。まさにバブル後の平成大不況の仕組みが腑に落ちる。相変わらずの小室節も健在でお勧めの一冊。
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畑村洋太郎, 失敗学のすすめ

失敗をいかにして生かすかを科学的に実証した本。 畑村先生の研究室では、過去にあった失敗を後輩に伝えるにあたり失敗者の実名を伝えることにしている、というくだりが興味深い。素人考えでは、実名を隠す方が失敗を公開しやすいのではないかと思えてしまうが、以下の3つの理由を読んで納得できた。 聞く者によりリアルで強烈なインパクトを与えることができる興味を覚えた者がより詳しい内容を知りたいとき、失敗者本人に直接聞くことができる実名を出すことで、失敗とは隠すものではないという文化をつくること...
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大竹文雄, 経済学的思考のセンス お金がない人を助けるには

経済学を身近なミクロの見地から眺めるので非常に読みやすい。各種のインセンティブが、人間の行動にどう作用するかに力点を置いている。 いくつかプロ野球を扱った話があるが、読み物としては面白いものの納得しかねる部分がある。"プロ野球における戦力均衡" は数値的な裏付けなしに理屈をこね回しているように見えてしまう。また、"プロ野球監督の能力" はチーム戦力の評価に下式を使用しているが、さすがにセイバーメトリクス全盛の現在に平均打率はないだろうと思う。元論文が1994年のものの様なので...
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麻雀マンガいろいろ

手ぶらで帰るのは悔しいので、何冊か麻雀マンガを購入。 ウラセンはジャケ買い。最近は近麻をきちんとチェックしていなかったので知らなかったが、なかなか面白い。ギャグがちょっと荒削りなところはあるけれど。 哭きの竜外伝についてはとりあえず評価保留。堤薫、音無光一など楽しみなキャラクタが多いが、あの完結した作品にとって蛇足とならないかどうかはまだまだわからない。
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捜索の一日

いろいろと探したい本が溜まってきたので神田神保町と中野をハシゴするがことごとく見つからない。
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ジェシカ・ウィリアムズ, 世界を見る目が変わる50の事実

途上国と先進国の格差を扱ったテーマが多い。「地雷によって毎時間一人は負傷している」、「拷問は一五〇カ国以上で行われている」、「世界では七人に一人が日々飢えている」など、ショッキングな数字が並ぶ。 読み物としては非常に興味深いが、100人の村 (の第二部) の様な政治色を少し感じる。この内容ならばやや左寄りになってしまうのは仕方がないのだろう。
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スティーヴン・レヴィット, ヤバい経済学 悪ガキ教授が世の裏側を探検する

ヤバい経済学 (Freakonomics) と名乗っているが、経済学というよりは社会学の領域のものが多いと思う。 日本人としては、やはり大相撲の八百長の話題が興味深い。千秋楽で7勝7敗の力士が妙に強いのは日本人なら誰でも知っていることだが、それを数値で示し、さらに星の貸し借りが次の対戦で調整されている事実までを暴く。まあ、半分神事としての性質を残す相撲に対して大真面目に八百長を指摘するというのも野暮だとは思うけれど。 その他、一部アメリカ依存でいまひとつピンとこないもの (ク...
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友野典男, 行動経済学 経済は「感情」で動いている

いわゆる行動経済学の入門書。この分野の一冊目として読むのには良いと思う。 行動経済学の基本となるプロスペクト理論の解説が分かりやすい。特に価値関数や確率加重関数の実例は興味深い。人がギャンブルにハマる心理なども、これらの関数に大いに関係しているのだろう。