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大久保義信, ミリタリー・グルメ 戦闘糧食の三ツ星をさがせ!

世界22カ国のレーション (戦闘糧食) を実際に食してレポートした労作。兵士の食事というのは軍事の中で一番人間に近く現場の生活が見える部分で、実に興味深い。各軍ごとにお国柄が見えるのも良い。残念なのが、紹介されているレーションの多くが一般人である読者には入手不能であること。米国のMREあたりはその手の専門店やインターネット通販で放出品を見かけるが、その他のレーションはまず普通には入手できない。中越地震以降、非常食として備蓄したいという需要もあると思うのだけど。なお、著者は軍事...
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28歳からのリアル & 28歳からのリアル マネー編

サクサク読めるので、2冊まとめても半日あれば十分。「仕事」、「結婚」、「お金」、「住宅」、「健康」など、28歳頃には考えなければいけないことは一通り押さえているので、この手の問題を一度も考えることがなかった人がとりあえず読むには良いかと思う。内容は全体的に当たり前のことが多く、独自の視点は感じられない。悪く言えば、この手の本のマネー本やマニュアル本の寄せ集めに思える。また、ファッション、クルマ、持ち物の選び方に関する記述が妙に偏ったものだったり、世間の目を気にしすぎているきら...
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日経バイト編, ソフトウェアの匠

豪華執筆陣によるソフトウェアに関する各分野の解説集です。一話が20ページ強で完結しているのでお気軽に読めて、ためになる (気がする) 、ちょっと得した気分になる本です。個人的にツボだったのは八幡勇一さんのキーボード論です。タイプライタに始まるキーボードの歴史がまとめられています。テレックスやメインフレームのインテリジェント端末を体験していなる世代には自明のことも多そうですが、私のようにワープロ・マイコンあたりからキーボードに触り始めた人間がその歴史をかいつまんで知るのにはお勧...
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セバスチャン・モフェット(著), 玉木正之(訳), 日本式サッカー革命

Jリーグが発足した1993年、私はまだ中学生だった。当時の私は野球少年でサッカーなど意識したこともなく、もちろんJリーグの前身であるJSLなど存在すら知らなかった。そんな中、突然現れたJリーグはマスコミに大々的に取り上げられ、一大ブームとなった。流行ものが好きな弟が関連グッズをどこからか手に入れてきたことを覚えている。それから11年、Jリーグはバブルの崩壊に伴ういくつかのクラブの危機を経て、現在の地に足のついた組織として成功を収めている。今振り返れば、川淵チェアマン (現在は...
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平野喜久, 天使と悪魔のビジネス用語辞典

天使と悪魔のビジネス用語辞典が書籍化されたものです。ウェブ版のウィットをそのままに加筆されてます。ネタ元にお勧め。
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R.M.W.ディクソン, 言語の興亡

言語がどの様に生まれ、分岐し、滅亡していくのかを俯瞰的に捉えている。ただし、作者の持論である断続平衡説など、まだ仮説レベルの話も多く含まれているため、その点は注意する必要がある。言語が失われるプロセスに関するくだりが興味深い。通常、社会的立場の弱い非優勢言語の話者が第二言語として社会的に優位な優勢言語を覚える場合が多く、逆は少ない。これは、英語を話す日本人の割合と、日本語を話す英・米国人の割合を考えれば理解できる。言語が消滅する典型的なケースの一つとして、劣性言語と優勢言語の...
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虫明亜呂無(著), 玉木正之(編), 肉体への憎しみ

すでに絶版になっている本ですが、ふるほん文庫やさんで入手しました。"海の中道" という、マラソンをテーマにした短編が良いです。マラソンという小説にしにくい題材を扱いながら、登場人物の人間ドラマなどに逃げず、マラソンというスポーツそのものを描ききっています。
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ロバート・アーリック, トンデモ科学の見破りかた もしかしたら本当かもしれない9つの奇説

「トンデモ〜」というタイトルがついていますが、と学会とは一切関係ありません。原題は "Nine Crazy Ideas in Science" で、こちらの方が内容をよく表しています。トンデモという語はセールス用につけられたものかと思います。本書は、一見トンデモに見えるいくつかの仮説について検証していくというスタイルです。特にお勧めは、「石油、石炭、天然ガスは生物起源ではない」という仮説で、石油は化石燃料ではなく地球の地殻やマントルからしみ出してくるものであり、埋蔵量は現在の...
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あさりよしとお, まんがサイエンス 9

いつの間にか出ていた。今回は1話完結型で、熱中症などのタイムリーなネタもあり。しかし、このシリーズのように出版間隔が長いコミックは発売に気づかず、買い逃しそうで困る。アンテナのような仕組みが作れないものか。
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ドゥーガル・ディクソン, ジョン・アダムス, フューチャー・イズ・ワイルド

人類が滅びた後の地球の生物を美しいCGで描いた本です。といっても、単なる想像ではなく、きちんと科学的な裏付けがある想像というのが売りです。fukumotoは生物関係は素人なので、どこまで正しいものか (もしくはトンデモな本か) 分かりかねますが、純粋にSFとして読んでも十分に楽しめる本です。