book 小峯龍男, 図解 古代・中世の超技術38 「神殿の自動ドア」から「聖水の自動販売機」まで タイトルだけを見るとオーパーツを扱ったトンデモ本の様だが、ブルーバックスなのでそんなことはなくまともな技術本。 メカトロニクス系の技術が中心だが、図版が豊富なので専門外の人間でも理解できる。半導体の無い時代にここまでできたのか、という素直な驚きとともに、人間の知恵に感心せざるをえない。 2012-04-20 book
book 羽根田治, ドキュメント 道迷い遭難 道迷いに起因する遭難の事例が7つ。いずれも生還したケースだが、一歩間違えれば死亡していたものばかり。 遭難者のインタビューや手記を元に執筆されており、遭難に至る過程での心理状態がよくわかる。そういった状況下で平静を保ち、「おかしいなと思ったら引き返せ」、「道に迷ったら沢を下るな」といった山のセオリーを守ることの難しさが実感できる。 また、道迷いの原因となった地点の写真もいくつか掲載されているが、遭難者を責められないと思えるものも多い。遭難は他人ごとではなく、身近にあり得ること... 2012-04-17 book
comic 石田敦子, 球場ラヴァーズ 私が野球に行く理由 (1) 暑苦しいまでのカープ愛が溢れるマンガ。無理に各登場人物のエピソードをカープに重ねなくとも、と思うが、さすがにそうでもしないとストーリーが成り立たないか。 特別付録の "野球戦隊セ・リグンジャー" が妙にマニアックで素晴らしい。コアな野球ファンでないと分からないネタが多いけど。 2012-04-16 comic
book 九鬼太郎, “超” 格差社会・韓国 韓国の現状について、教育熱と受験戦争、財閥支配の企業の実情といった切り口から。著者は在韓の企業家のため全体的に韓国贔屓を感じるが許容範囲。韓国の圧縮成長を可能とした背景や、その無理が生んだ歪みが実感として伝わってくる。 2012-04-15 book
book 守能信次, スポーツルールの論理 スポーツのルール、特にルール完成後に輸入されたスポーツのルールには、なぜそのルールがあるのか分からないものも多い。本書の提案するスポーツルールの四分類はそんなルールを理解する助けになる。 四分類とは、フェアプレーやスポーツマンシップといった成文化されないマナーを示す条理的行動規範、限度を超えた身体接触などの成文化されたマナー違反を表す刑法的行動規範、野球の走者がどちら向きに走るかなどの単なる決め事に過ぎない行政法的行動規範、バスケットボールの24秒ルールなどのゲームの面白さを... 2012-04-09 book
book 山本利夫, 即席麺サイクロペディア (1) カップ麺 2000年編 即席麺サイトの老舗中の老舗、即席ラーメンは即席ラーメンを運営する山本利夫氏の著作。 蓋写真と簡単なコメントだけの構成だが、1980年代から現在までの即席麺を幅広くカバーしているのには頭が下がる。読み物として面白いかというと微妙だが、カタログ的に眺めて楽しむには申し分ない。 2012-04-07 book
comic 谷口ジロー, 東京幻視行 谷口ジロー傑作短編集2 谷口ジローの1980年代の作品を中心に編集したもの。 この頃は自身の可能性を模索するためか、様々なジャンルに手を出していたこともあり、あまり統一感はない。ハードボイルド劇画、SF、スポーツなど、最近とはだいぶ作風が違うものも多いので、にわかファンが読むものでもない気がする。それでも、作品の所々に最近の作品の下敷きとなったと思える部分を探すのは楽しい。 2012-04-06 comic
book 日垣隆, 岡本吏郎, 楽しく稼ぐ本 コンサルタントと作家の経営に関する対談をまとめたもの。 所々お話としては面白いところもあるが、話者の体験を一般化して断定的に語っている部分が多いので話半分に。また、全編を通して話者が自身の成功例だけを上から目線で語る調子なので、その種の語り口が嫌いな人は手を出さないほうが良い。 2012-04-05 book
book 笠虎崇, サラ金全滅 過払い金バブル狂乱 2010年6月の貸金業法改正にまつわるドキュメンタリー。 状況証拠を積み重ねているだけに過ぎないが、過払い金返還請求やグレーゾーン金利撤廃といった一連の施策が、増えすぎた弁護士や経営の苦しい銀行を救済するためのものであるという指摘はおそらく正しいのだろう。 アイフル出身の著者の考えるサラ金のあるべき姿は、やや懐古主義的に感じられるものの、一聴の価値がある。対面審査、対面融資、対面返済を条件に高金利を認めることで、多重債務者へのカウンセリング機能を持たせるという考え方は興味深い... 2012-04-04 book
book 湯浅誠, 日向咲嗣, 吉田猫次郎, 春日部蒼, 李尚昭, しんぐるまざあず・ふぉーらむ, 働けません。「働けません。」6つの “奥の手” 追い込まれて生活に困窮した際の対処方法をまとめた本。生活保護の受け方、失業保険の貰い方、住宅ローンの処理方法、法律補助の受け方、生活福祉資金の借り方など、いずれも教科書的な知識ではなく極めて実践的な内容。 いざという時もいくらでも対処方針があると知っておくことは精神衛生上、非常に良い。この種の方法は広まるにつれ対策が打たれるものも多そうだが、考え方の肝となる部分は古くならない。 2012-04-03 book