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TRIZ研究会(編), 本当に役立つTRIZ 眼からうろこが! 12の発明の原理だけでアイデア発想

TRIZの解説本だが、TRIZの説明そのものはあまりなく、TRIZを利用する実例が中心。TRIZを学ぶ一冊目としてはお勧めできないが、既にTRIZの発明原理などを学んだ上で実際の活用事例を知りたい向きには悪くない。
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谷口ジロー, 凍土の旅人

谷口ジローの短篇集。粒ぞろいだが、中でもを下敷きにした2篇が出色の出来。谷口ジローの筆致が存分に楽しめる大型の判型も嬉しい。
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打田鍈一, 改訂版 埼玉県の山 (新・分県登山ガイド 改訂版)

埼玉県の山の改訂版。旧版ではいくつか情報が古くなっているところがあったので購入。取り上げられているルートはほとんど変更なく、両神山周りのルートが少し追加された程度。基本的に微細な修正が中心なので、旧版で困っていない人が買い換える程ではない。新規に購入するのならおすすめ。
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小田亮, 利他学

人間はなぜ利他的な行動をとるのか。その理由を様々な角度から追った本。著者は自然人類学や比較行動学を専門にしているが、生物科学や心理学、経済学にも造詣が深く、それらの知識を総動員してこの境界領域にある難問に挑んでいる。自身の実験を含む様々な先端研究の成果もよくまとめられており、一冊目のリファレンス本としても優秀。
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パオロ・マッツァリーノ, 13歳からの反社会学

タイトルはあまり内容と関係なくなっている。13歳向けではないし、もはや社会学と関係ないネタも多い。それでも読み物としては文句なし。着眼点は面白いし、いつものパオロ節も健在。
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金哲彦, 3時間台で完走するマラソン まずはウォーキングから

長年陸上をやっていると、つい惰性で練習してしまっている自覚があるので、見直しのために読んでみた。読みやすい新書ながら、靴の選び方からランニングフォーム、トレーニング法に食事まで一通りが網羅されており、内容もまともなので、初心者にもお勧めできる。
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アントニオ猪木, 猪木語録 元気ですか! 一日一叫び!

正月なので、少し元気が出そうな本を。365日分の名言に (おそらく編集者による) 少々の解説。信者ならば知っていて当然の言葉が多い。
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竹川美奈子, 投資信託にだまされるな! 本当に正しい投信の使い方

比較的まっとうな資産運用本。読みやすいしトンデモ度も低いが、それ以上ではない。独自の視点がほとんど無いため、資産運用本をある程度読んでいる人が読んでも新たに得られる情報は少ない。
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橋本淳司, 明日の水は大丈夫? バケツ1杯で考える「水」の授業

水問題の本だが、低年齢層を意識している作りで分かりやすい。ヴァーチャル・ウォーターや食糧自給率など批判も多い概念も素朴に紹介しているあたりは、学者ではないジャーナリストの限界か。
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横田増生, 潜入ルポ アマゾン・ドット・コム

著者はもともと流通業界紙の出身だけあり、その視点からのアマゾンの分析は面白い。また、潜入ルポとしてアマゾンの流通センターの内情を僅かとは言え明らかにしたのは見事。一方で、アマゾンという企業の分析は全く物足りない。アルバイトで潜入した立場から得られる情報は限られており、それをどうこね回しても根拠の薄い憶測にしかならない。その最たるものがアマゾンとブックオフの関係で、たまたまアルバイト中に目にしたベンダーコード一覧にブックオフの名前があったことだけを根拠に中古本を新品として売って...