book 中島隆信, 大相撲の経済学 相撲界を経済学の視点で眺めるという本。角界のシステムから、その中の人間にどのようなインセンティブが働いているかを考察しており、よくある力士の収入がいくらといったレベルの本とは一線を画している。 こうした視点からみると、外部からは不思議に見える数々の角界のルール (たとえば、なぜ大相撲は総当たり戦ではないのか、なぜ八百長が起きやすいのか、なぜ茶屋制度が存在し続けるのか、など) の多くが実に合理的であることが見て取れる。 2008-06-12 book
book 竹内正浩, 戦争遺産探訪 日本編 先の大戦中の軍事施設を巡る旅。あまり政治的な主張は強くなく、遺構そのものを楽しむスタイル。 遺構は全国に散らばっているが、関東周辺でも都心部や千葉・館山などに見るべきものがある様なのでぜひ訪れてみたい。 また、ただの遺構紹介にとどまらず、それらを探すコツについても触れられているのが嬉しい。それなりに歴史のある土地に住んでいる人間ならば、きっと地元の遺構を探したくなる。 2008-06-11 book
comic あさりよしとお, まんがサイエンス 11 今回のテーマはまたも宇宙船。 はっきり言ってしまえばの焼き直しなのだが、掲載誌の都合や作者の趣味など色々とあるのだろう。 2008-06-08 comic
book 防衛弘済会, 知っておきたい!! 自衛隊100科 セキュリタリアンMOOK 自衛隊に関する100項目をまとめたムック。各項目は独立しているので、パラパラとめくっているだけで自衛隊の知識が身に付く。 セキュリタリアン誌の別冊だけあって、内容はかなり正確。今まであまり軍事関係の本を読んでいない人の入門用にもおすすめできる。 2008-06-06 book
book 西田圭介, Googleを支える技術 巨大システムの内側の世界 著者はGoogleの中の人ではないので、論文などの公開情報からGoogleの中身を推測するスタイル。 Googleの柱である大規模分散ストレージの解説に多くのページが割かれており、Google File SystemのみならずBigtableやChubbyまで含めた全体像を知ることが出来る。もちろん、その上でのMapReduceを用いた分散データ処理の解説もあり。 また後半のGoogleの運用コストについての章が実に面白い。Googleがコストの観点から安価なPCを用いたクラ... 2008-06-01 book
book リアル・リッチの世界 講談社MOOK セオリー vol.9 資産運用の話を期待して読んだが、少し期待はずれ。 プライベートバンカーの説明なども通り一遍で、あまり新しい情報がない。 2008-05-31 book
game プロ野球チームをつくろう! 久しぶりにゲームを買ってみる。つくろうシリーズは学生時代にセガサターンのサカつく (1, 2) にハマって以来。 DSだけあってサクサク進むのは良いのだけど、ちょっとコクがなさ過ぎる気も。 通算記録が全く保存されないのはちょっと萎える往年の名選手が簡単に揃い過ぎる気がする年棒の高騰が激しすぎるので、どうしても選手を取っ替え引っ替えするスタイルになりがち (これは制作者が意図したことかもしれないが) 2008-05-30 game
book データスタジアム(企画・編集), 野球の見方が180度変わるセイバーメトリクス セイバーメトリクス的な視点で2007年度の日本プロ野球の結果をみるとこうなる、という本。 特に目新しい指標が提案されているわけではないが、有名どころの指標は一通り押さえられているので、セイバーメトリクス入門用にはおすすめできる。ただし、算出が面倒な指標 (Win sharesなど) の説明はかなり大雑把なので、そのあたりは専門書を併せて読む必要がある。 2008-05-25 book
book 椎橋章夫, 自動改札のひみつ 一冊まるごと自動改札についての本。あまり類書がないので嬉しい。 著者はJR東日本の中の人のため、どちらかと言えば鉄道屋からの視点。なので、IT屋からみると少し不満な点も。情報のフォーマットなどの一番面白そうなところが "詳細については、セキュリティ上説明を省略する" として簡単にスルーされているのが残念。仕方ないが。 諸外国の自動改札との比較が実に面白い。日本の特殊事情であるラッシュ時の膨大なトラヒック (45~60人/分を想定して設計しているとのこと) をさばくために、様々... 2008-05-24 book
book 安岡孝一, 安岡素子, キーボード配列QWERTYの謎 恥ずかしながら、私も本書を読むまでは「タイプライターのアームが絡むのを防ぐために、打ちにくいQWERTY配列が作られた」という俗説を信じていた。 本書は、タイプライターやテレタイプの歴史を丹念に追いかけることで、その俗説が誤りであることを示してくれる。また、その誤りを正すだけにとどまらず、件の俗説がどのように生まれ、一人歩きしてきたかについても徹底した調査を行っているのが興味深い。 圧巻なのはその参考文献の量。500件近くの文献を調べ上げた労力には素直に脱帽させられる。キーボ... 2008-05-22 book