review

book

島田裕巳, 日本の10大新宗教

新書のボリュームで10もの新宗教を取り上げる以上、一つ一つの内容は薄めで、新宗教の成り立ちをざっと眺める程度。とはいえ、多くの新宗教に共通する新宗教の成長に欠かせない要素などは垣間見ることが出来る。 この手の本をみると、俗物根性として方々で話題に挙がるカルトすれすれの新宗教を期待してしまうのだけれど、そういった新宗教は落とされているのが残念。
book

西尾典文(著), 泉直樹(著), 小関順二(監修), プロ野球スカウティングレポート2008

毎年恒例のスカウティングレポート。 フォーマットは完全に昨年度版と同じ。潔いというか、手抜きというか。 とはいえ、現状ではデータ山盛り本はこれしかないのでありがたいことには変わりない。
book

ケンタロウ, 柳田理科雄, 空想キッチン!

人気アニメの料理を再現しようという企画本。 あまり深く考えずに読む分には充分楽しめる。考証担当はあの柳田理科雄氏だし。
book

藤和彦, 石油を読む 第2版 地政学的発想を超えて

石油はもはや戦略物資などではなく、国際市場で流動的に取り引きされるコモディティであるという主張。地政学的なリスクよりも、投資マネーの動向による価格変動のリスクの方がはるかに大きいという点は同意できる。 現在の国際石油市場の様子、OPECやメジャーの凋落など、この一冊で現在の石油を取り巻く状況がよくわかる。おすすめ。
book

高野陽太郎, 鏡の中のミステリー

鏡に映った自分が上下は変わらないのに左右が逆転したように見える、という古典的な謎に答える本。 従来述べられてきた仮説 (たとえば人間の体がほぼ左右対称なことに起因するという対称仮説など) がきちんとサーベイされ、それぞれの問題点もよくまとまっている。 それらを踏まえて提唱される、筆者独自の多重プロセス理論は見事。人間が無意識のうちに、自身の鏡像と文字の鏡像を全く異なる座標系を用いて処理しているという事実は、指摘されるまでなかなか気づくものではない。
book

川崎昌平, ネットカフェ難民 ドキュメント「最底辺生活」

ネットカフェをテーマにした本なのだけど、著者は好きでそんな生活をしているようにしか見えない。それなりに学歴も技術も知識もあり、その気になれば実家にも戻れる様な立場だからか。"高等遊民" という言葉が何となく思い浮かぶ。
book

David Hawley(著), Raina Hawley(著), 羽山博(監訳), 日向あおい(訳), Excel Hacks プロが教える究極のテクニック100選

さすがにオライリーらしく、骨太なHackが並ぶ。 VBAを使用するものも多いので、そのあたりを触ったことがない人だと少々苦しいかもしれないが、手元に置いておいて損することはない一冊。とりあえず目次は眺めておいて、あとは必要なときにめくる使い方となりそう。
product

SEIKO IC DICTIONARY 電子辞書 SR-G9000

電子辞書を買い換えた。5年ほどDD-IC500Sを愛用していたが、もう少し大画面で、英語関係の収録辞書の質が良いものが欲しくなったので。 以下の条件で選び、SIIになった。他社製品は、タッチパネルのせいで、キーボードが隅に追いやられているのが気に入らない。 もう、胸ポケットサイズにはこだわらないバッテリー重要 (ここで、カラーは選択肢から外れる)画面解像度重要起動速度重要 (少し前までのSII製品は起動に数秒程度の間があった記憶があるが、最新機種ではかなり改善されている)キー...
book

北尾トロ, ぶらぶらヂンヂン古書の旅

ただただ全国の古書店をまわるだけのユルい旅行記なのだけれど、著者の古書へのこだわりや古書店への思いやりが伝わってきて和める作品。 私は最近はサラリーマンをしているのとネットで古書が買えるようになったのとで古書店巡りはご無沙汰しているが、その楽しさを思い出させてくれる。
book

中村秀樹, 本当の潜水艦の戦い方 優れた用兵者が操る特異な艦種

元海上自衛隊潜水艦長の著作だけあって、現在の海上自衛隊の状況がよく伝わってくる。 3章の第二次世界大戦における日本海軍潜水艦作戦に多くのページを割いているのが特徴的で、海軍時代から続く潜水艦運用の問題点が浮き彫りになっている。このあたりは興味がないと少々退屈になりがちなところではあるが、他の戦史本よりははるかに読みやすくまとめている。