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小林章, 欧文書体 その背景と使い方

欧文書体の解説書は数あれど、書体の成り立ちの根幹である平筆によるカリグラフィから本気で解説してくれるものは珍しい。書体デザインはもちろんのこと、欧文組版の不思議なルールの数々もその根幹を辿ると極めて合理的に発展してきたことがよく分かる。おすすめ。
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瀬川陣市, 新・デジカメ写真術 ベストショットが撮れる47のシーン別アイディア集

写真撮影のtips集だが、一般人がよく写真を撮るシーン別にまとめてあるので使いやすい。 デジタル一眼レフを買うほどの写真マニアではないが、手元のコンパクトデジカメだけでもうワンランク上の写真をとりたい、というあたりが主な対象読者か。体系的な知識を学べる本ではないが、手軽に脱・素人を目指す向きには悪くない。
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ドゥーガル・ディクソン(著), 今泉吉典(監訳), アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界

人類を含む哺乳類がほぼ絶滅した後のニッチを、他の系統がどのように埋めていくかという思考実験。純粋にSFとして楽しめる。 表紙にあるような奇抜な外見の生物はむしろ少数派で、大半はもう少し現生の動物に近い大人し目のデザイン。しかしながら、その生態はいずれも個性的で読ませてくれる。
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ダニエル・ジロディ(著), アンリ・ブイレ(著), 松岡智子(訳), 美術館とは何か ミュージアム&ミュゼオロジー

ミュゼオロジーの入門書であるが、事前知識なしで読める構成なので、素人でも楽しめる。 美術館や博物館はただの見世物小屋ではなく、それらを中心とした街作りまで踏み込んで考えるべきものであることを認識させられる。美術館の中の空間作りにも詳しく、どのような意図で展示されているかを考えるための助けになる内容。また、図版の質も高く、眺めているだけでも楽しい一冊。
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豊田徹也, 珈琲時間

頂き物を予備知識なしに読み始めて、"アフタヌーンとかに載ってそう" と思っていたら、本当にアフタヌーンの連載だった。 何というか疑いなくオサレなのだけれど、面白いかと訊かれると自信を持って答えられない。
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Josh Leventhal, Jessica MacMurray, Take Me Out to the Ballpark: An Illustrated Tour of Baseball Parks Past and Present

Bordersのセールで$9.99だったので即買い。 米国内の球場紹介ガイドなのだが、写真中心の大型本で、どちらかというと眺めて楽しむタイプ。
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中野京子, 怖い絵3

このシリーズもついに完結編。 シリーズを通じて、絵画の見方が学べたのは有意義だった。 現代芸術はともかくとして、近代以前の絵画はきちんと時代背景を学ばないとその本当の怖さは分からない。
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アントニオ猪木, 猪木詩集「馬鹿になれ」

実は元気が出ないときに繰り返し読んでいる一冊。 詩において表現技法云々はあくまで脇役であることを思い知らせてくれる素直で力強い詩の数々。写真と合わせて、猪木の格好良さがどこまでも伝わってくる。 猪木信者ではなくとも一度読んで欲しい。
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谷岡一郎, エッシャーとペンローズ・タイル

近頃は社会学系の本を出さずに趣味のSFやパズル、ポーカーあたりに浮気していると思ったら、今度はペンローズ・タイルときた。 数学者ではないので厳密さには少し欠けるが、十分に知的好奇心を刺激してくれる内容。図版も豊富で、眺めているだけでも十分に楽しい。おすすめ。
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荒俣宏, 想像力の地球旅行 荒俣宏の博物学入門

主に近代の博物学がどのように発展してきたかを大きな流れで掴める。まだまだ未知の世界があった頃の世界探検の興奮が伝わってくる良書。さすが荒俣先生というべき蔵書の数々から採られた図版も眺めているだけで楽しい。