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森博嗣(作), 佐久間真人(画), 猫の建築家

表紙絵に惹かれて読んでみたら文の方も大当たりだった。 猫好きならぜひ。
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村上春樹, もし僕らのことばがウィスキーであったなら

お酒も弱くウィスキーのことは何もわからないけれど、こういった粋な旅には素直に憧れる。 陽子夫人による写真も実にいい。
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アレックス・カー, 美しき日本の残像

祖谷や京都に住み、美術品を蒐集するヘンなガイジンの随筆集。 現代の日本について厳しい意見が飛ばされるが、これも日本の文化を愛しているからこそだろうと思われる。
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竹内薫, へんな数式美術館 世界を表すミョーな数式の数々

そのタイトル通り、珍しい数式を鑑賞して楽しもうという本。 企画は面白いが、数式には背景がわからないと全く理解できないものも多く、わずかな解説だけでは十分に楽しめないところがあるのが残念。
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片桐頼継, レオナルド・ダ・ヴィンチという神話

"万能の天才" として語られ、もはや神話化された様な扱いをされることもあるレオナルド・ダ・ヴィンチの実体を追った本。 レオナルドが非凡なクリエイターであったことは間違いないものの、科学・工学への貢献や先見性については多くの疑問が残るのも事実だろう。
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安村敏信, 美術館商売 美術なんて…と思う前に

板橋区立美術館の学芸員の方の著作。 美術館、特に日本の古美術品となるとかなり敷居が高く、なかなか訪れる機会もないのだが、その中の人がどんな工夫をして客を呼び込もうとしているのかがよくわかる。もっとも、ここまで高い意識を持って、一般の人々への普及を心がけている人がどれだけいるのかはわからないが。 あまり食わず嫌いをせずに、たまには美術館に足を運んでみようかと思わせる一冊。
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小島健一, 社会科見学に行こう!

首都圏外郭放水路に始まり、高エネルギー加速器研究機構、核融合科学研究所など、男のロマンを感じさせる見学先の数々に心躍る。 一つ一つの施設の紹介は10ページにも満たず、また大きめの写真が多いので、あまり読み応えはない。そういった施設の紹介そのものよりも、社会科見学という行為自体への誘いという位置づけなのだろう。そして、その取り組みは成功している。 また、さりげなく開田夫妻が参加しているのもポイント。
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黒田硫黄, 茄子 (1) (2)

茄子 (だけ) を共通のテーマにした短編集。 映画化もされた "茄子 アンダルシアの夏" しか知らなかったが、他にも読み直したくなる作品が多い。特に、高間や高橋が登場する作品群はどうということのないお話なのだが、それが良い。
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中野京子, 怖い絵 (1) (2)

たまには売れ筋の本も読んでみる。 主に16世紀以降の西洋絵画の背景を紹介することで、その隠れた怖さというものを紹介する試み。"恐い" といっていいのかどうかわからないものも混ざっているが、読み物としては文句なく面白い。 素人の読者を想定した解説文なので、いわゆる絵画の見方がわからなくても大丈夫。今まであまり絵画に興味のなかった方の入門書としてもおすすめ。
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サルマルヒデキ, 東京鉄塔 ALL ALONG THE ELECTRICTOWER

毎日送電線を書籍化したもの。何というか "わかっている" 人の本なので、鉄塔ファンには間違いなくお勧めできる。 写真もツボを押さえており、にこにこ角度を中心に結界中から見上げるアングルまで、鉄塔の魅力を完璧に引き出している。銀林先生をはじめとする先駆者へのリスペクトが感じられるのも好印象。