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権徹, 歌舞伎町

表題通り歌舞伎町を舞台にした写真集。 印象的な写真をこれだけの点数集めたところに、著者の多大な労力と歌舞伎町への愛を感じる。ただし、歌舞伎町の日常を切り取ったというよりは、劇的な瞬間だけを集めたものであることには留意する必要がある。
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オブスキュアインク, ロゴデザインのアイデア! 実例で学ぶ!! プロのデザインルール&テクニック

ロゴデザインの実例集。副題に "プロのデザインルール&テクニック" とあるが、具体的なルールや技術解説はほとんどなく、あくまでも実例集。パラパラと眺めてインスピレーションを得るための本としては良い出来。
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松岡絵里(著), 吉田友和(写真), 世界の市場

海外の市場を訪ね歩いたビジュアル本。 構成に意思が感じられず、また解説文も新しい視点がなく退屈だが、写真の質は悪くない。雑誌感覚でどうぞ。
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安島太佳由, 日本戦跡を歩く

日本全国の戦跡を巡り写真を撮り続けた労作。特に掩体壕への愛は素晴らしい。 現存している戦跡は全国に散らばっているため、なかなか気軽に見に行けるものが少ないのは残念。2002年の発行のため、幾つかは既に失われている点にも注意。
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Lynd Ward, Mad Man’s Drum: A Novel in Woodcuts

120枚の木版画により語られる不思議な物語。David A. Beronäによる冒頭のIntroduction以外は一切文字もなし。 丹念に読めばおおまかなストーリーは理解できるが、中盤以降の細かな解釈には確信が持てない部分が多い。笛吹きの正体は何か、昆虫学から天文学への転向の意味するところは何か。
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浅田次郎(著), 久保吉輝(写真), カッシーノ2!

カッシーノ! の続編。今度の舞台はアフリカとラスベガス。 ラスベガスはともかくとして、なかなか日本人には馴染みのないアフリカのカジノ事情は実に興味深い。所々、スノッブなところが気になるが、それもこの著者の味だろう。ギャンブル指南書としてはあまり役に立たないので、あくまでもエッセイとして。
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浅田次郎(著), 久保吉輝(写真), カッシーノ!

浅田次郎が世界のカジノを旅する "カッシーノ!" の企画。第一弾はヨーロッパ編。 カジノゲームの勝ち方などが学べる本ではないが、カジノでの振る舞いや痩せ我慢、ギャンブラーの心意気、著者の人生観は嫌というほど伝わってくる。久保吉輝による写真を眺めているだけでも楽しい。
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小林伸一郎, 廃墟遊戯 Handy Edition

廃墟をテーマとした写真集。廃工場や廃坑が中心で、"工場萌え" にも通じる美がある。 は1998年の刊行で、廃墟本としては比較的初期の部類。収録写真も1980年台後半から1990年台中盤頃のものが多い。
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王超鷹, トンパ文字 生きているもう1つの象形文字

一時話題となったトンパ文字に関する数少ない解説書。 本書の後半分はトンパ文字の一覧で占められており、読み物となっているのは前半のみ。その前半も大半はトンパ文字を操るナシ族の風俗の解説や彼らの住む麗江県への旅行記。元々文法がはっきりとせず、その上著者も言語の専門家ではなく美術家のため、言語学的な見地からの解説はなし。 旅行記として見ると意外に良い出来。美しい写真はもちろんのこと、日本との類似性に関する考察は実に興味深い。
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小林章, 欧文書体 その背景と使い方

欧文書体の解説書は数あれど、書体の成り立ちの根幹である平筆によるカリグラフィから本気で解説してくれるものは珍しい。書体デザインはもちろんのこと、欧文組版の不思議なルールの数々もその根幹を辿ると極めて合理的に発展してきたことがよく分かる。おすすめ。