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紀田順一郎, 蔵書一代 なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか

田舎に大きな書庫を備えた家を建てて好きな本に囲まれて暮らすという夢は、すべての蔵書家が一度は思い描いたことがあるだろう。そんな暮らしを一度は実現しながら、家族や自身の健康などの理由で捨てざるを得なくなったのは心情を察するに余りある。さらにその際に3万冊超の蔵書を手放さざるを得なくなったとなると、自らの半身をもぎとられたようなという比喩では物足りないだろう。そんな著者の体験を踏まえ、さらに個人蔵書の受難の時代背景や名だたる蔵書家たちのエピソードを折り込み、蔵書論ともいうべき作品...
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フェリックス・デニス(著), 井口耕二(訳), 本物の大富豪が教える金持ちになるためのすべて

デニス・パブリッシングで財を成したフェリックス・デニスによる金持ちになるノウハウ。ビジネスの立ち上げに成功して大富豪までのし上がるにはある種の狂気が求められる、というのが一読しての印象。著者が最初に掲げている金持ちになれる条件は、どれも大きな犠牲を伴うものばかり。それも長時間働く気概があることや失敗のおそれと正面から向き合うことなどはまだしも受け入れられる人が多いだろうが、家族に心配をかけても仲間や友達に軽蔑されてもかまわないと言い切れる人は少ないだろう。自分の会社の持ち株を...
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いしいさや, よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話

エホバの証人の二世による自伝マンガ。マンガとしては荒削りだが、それだけに生々しい二世の苦悩が伝わってくる。
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トラヴィス・ソーチック(著), 桑田健(訳), ビッグデータ・ベースボール 20年連続負け越し球団ピッツバーグ・パイレーツを甦らせた数学の魔法

オークランド・アスレチックスのマネー・ボールの後に台頭してきたピッツバーグ・パイレーツのセイバーメトリクスを紹介するドキュメンタリ。今ではメジャーリーグの新たな常識となりつつあるPITCHf/xによる捕手のピッチフレーミングの分析、ビッグデータを活かした極端な守備シフト、先発4人制のローテーション、スタットキャストによる守備の数値化、投手の怪我を減らすよりスマートな球数制限などが生み出されるまでが明らかになる。
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高田かや, さよなら、カルト村。 思春期から村を出るまで

カルト村で生まれました。の続編。前作同様に部外者から見るとかなり壮絶な内容。中等部・高等部 (村外の中学生・高校生に相当する年齢) となり、だんだんとヤマギシの特殊性に気づきながらその後の進路を考えていく成長物語は頼もしくもあるのだが、村を出てからの世間知らずな行動は危ういところが多くハラハラしてしまう。
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ロバート・ハリス, 人生の100のリスト

いわゆる棺桶リスト (bucket list) の実践記録。享楽的な項目が多く、あまり自分もやってみたいと思えるようなリストではない。興味を惹かれたのは、貨物船に乗っての読書や世界中を旅しながら生きることくらいか。それでも、棺桶リストを作ることが人生の質を高める方法であり、書いた内容が実現に繋がるのはよく理解できる。
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中西敦士, 10分後にうんこが出ます: 排泄予知デバイス開発物語

排泄予測デバイスDFreeの開発とトリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社の設立までを綴った自伝的ドキュメンタリ。著者自身は技術者ではないため、アイディア出しの後は人集めや資金集めが中心。無休のボランティアで技術者に手伝わせる行動力はさすがだと感じるし、こういうタイプの人がスタートアップの立ち上げに向いているのだと思う。
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野口健, 落ちこぼれてエベレスト

アルピニスト野口健による自伝。山行の記録ももちろん素晴らしいのだが、それ以上に興味深いのが著者の若気の至ったエピソードの数々。高校時代の喧嘩と停学、アルコール浸りの大学時代、シェルパの娘との結婚と離婚、それらを包み隠さず語っているところは好感が持てる。
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finalvent, 考える生き方

極東ブログらを手がけるfinalvent氏による自伝。波乱万丈な人生は送っているものの、社会的に超名人というわけではない人物の自伝が出版されるというのは、ブログ時代の面白さだろう。本人は負け組を自称しているが、幅広い見識を持ち、曲がりなりにも文筆業で家族を養っている以上、謙遜のし過ぎというものだろう。内容はその波乱万丈な人生を写すかのように雑多なものだが、人生との折り合いの付け方など共感できる部分が多い。
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大西康之, ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正

あまりに小説的過ぎるセリフの数々など、さすがに脚色が過ぎるのではないかと思わせるところが多いため、史料として用いる場合は他の文献も併せて確認する必要がありそう。そういった細かいところを気にせずに、ビジネスマンがテンションを上げるための自己啓発本として読むのならば文句なし。