マネー・ボールに代表される従来のセイバーメトリクスは、野球選手たちの能力や勝利への貢献度を正しく評価し、埋もれた才能を低コストで発掘することが大きな目的であった。一方、本書アメリカン・ベースボール革命は、いかにして優れた選手を育成するかに主眼を置いている。いわば、セイバーメトリクスの一歩先を行くものと言って良いだろう。
取り上げられる手法も、最近メディアでも取り上げられることが多くなったバレルから変化球の比率まで多岐に渡る。どれも効率よく選手を育成するには欠かせない手法であることは間違いないのだが、従来型のセイバーメトリクスファンとしては今ひとつ楽しめない。ファンタジーベースボール的な数字いじりの楽しさが欠けているためだろうか。
コメント