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アレックス・ジョンソン(著), 北川玲(訳), 世界の不思議な図書館

世界中の変わった図書館を集めた写真集。 図書館と聞くとどうしても大仰な建物を思い浮かべてしまうが、原題のImprobable LibrariesにあるLibraryはもう少し広い意味で、ちょっとした蔵書や書庫のようなものも含む言葉。本書にも、有志によって作られ地域社会に根付いた小規模な図書館、地下鉄や空港などに作られた図書館、ロバやゾウが辺境の村へ本を運ぶ移動図書館など、およそ図書館という言葉からは想像もできないような図書館が多数収められている。
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施川ユウキ, バーナード嬢曰く。 (5)

気がつけばもう5巻。新キャラを投入するでもなく、新機軸を導入するわけでもなく、淡々と図書室の日常が続くだけなのにこれが面白い。心配していたネタ切れとも無縁。
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森博嗣, 作家の収支

著者本人の作家としての収入をまとめた本。作家一般の話は原稿料や印税率の相場くらいで、作家の中でもかなり特殊な執筆活動を行っている著者の事例が大半のため、作家の収支というよりは森博嗣の収支といったほうが適切。 著者の収支を支えていたのは、やはりその多産にある。 原稿用紙20枚/時間をコンスタントに出力し、19年間で280冊の著書を生み出したのが何よりも大きい。単に各著書の売上が立つだけではなく、著者買いの相乗効果を生み出せている。
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橘玲, 「読まなくてもいい本」の読書案内 知の最前線を5日間で探検する

複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、功利主義の進歩が "知のビッグバン" 起こした後の本を中心に読むべきという主張。 特に進化論を高く評価しており、遺伝学、脳科学、進化心理学、行動ゲーム理論、行動経済学などが進化論を土台に融合しているとみなしている。専門の科学者ではないので論理の飛躍が多いが、言わんとしていることは理解できる。
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施川ユウキ, バーナード嬢曰く。 (4)

今巻も素晴らしい。安易に登場人物を増やすでもなく、新展開を入れるでもなく、淡々と読書の素晴らしさを伝えながら人物を掘り下げていくのが良い。
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紀田順一郎, 蔵書一代 なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか

田舎に大きな書庫を備えた家を建てて好きな本に囲まれて暮らすという夢は、すべての蔵書家が一度は思い描いたことがあるだろう。そんな暮らしを一度は実現しながら、家族や自身の健康などの理由で捨てざるを得なくなったのは心情を察するに余りある。さらにその際に3万冊超の蔵書を手放さざるを得なくなったとなると、自らの半身をもぎとられたようなという比喩では物足りないだろう。 そんな著者の体験を踏まえ、さらに個人蔵書の受難の時代背景や名だたる蔵書家たちのエピソードを折り込み、蔵書論ともいうべき作...
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書皮友好協会(監修), 日本のブックカバー

書店でかけてもらえるブックカバー (書皮) のカタログ。昔通った懐かしい書店のカバーも、見覚えがないものも、眺めているだけでノスタルジックな気分に浸れて幸せ。 とはいえ、今や私も書店で書籍を購入することはめっきり減っており、この本ももう少し経つと貴重な "史料" となってしまうのだろう。
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松原隆一郎, 堀部安嗣, 書庫を建てる 1万冊の本を収める狭小住宅プロジェクト

巻頭の美しい写真に、本書の価値のほぼすべてが詰まっている。 本好きならば一度は夢想する書庫を本当に体現してしまったのは、ただただ羨ましい。それでも狭小住宅であるがために、庶民にももしかしたらという夢を抱かせてくれる。 なお、目の前の蔵書を整理する助けにはまったくならないので、その方面のヒントを探している方はご注意を。
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玉川重機, 草子ブックガイド (1)

読書をテーマにしたマンガでところどころ共感できるところはあるのだが、やはり万引きからのスタートでは感情移入しにくい。絵はモーニングというよりはアフタヌーン風に感じるが、好みが分かれるところか。
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喜多村拓, 古本迷宮

著者の本業である古本屋を舞台にした連作短編集。フィクションとノンフィクションの狭間をさまよう少し不思議な作品ばかりで、読後感が非常に良い。