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Robin Williams(著), 吉川典秀(訳), 米谷テツヤ(解説), ノンデザイナーズ・デザインブック フルカラー新装増補版

既にを発行当初の1990年代末頃に読んでいたが、改訂版で読み直し。 大まかなストーリーは初版と変わらず、近接、反復、整列、コントラストの4原則の繰り返し。本職のデザイナーからすると物足りない内容だろうが、素人脱出には十分効果的。フルカラー化に伴い、色彩の基礎が追加されたのも良い。
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倉部史記, 文学部がなくなる日 誰も書かなかった大学の「いま」

タイトルはやや営業用で、実際には大学の生き残りのための方策などに重点が置かれている。 著者は大学職員や予備校の総合研究所を経験してきたこともあり、大学側と受験生側の両方の視点を備えているのが良い。大学側の視点では、入試と入学後の教育が連携していない大学が凋落すると説く。悪い評判も多いAO入試も、入学後の教育方針に沿った学生を集めるための手段として活用するのならば効果的となるだろう。受験生視点では高校生がどのように進路選択するべきかが語られる。単純な偏差値と学部名だけで選択する...
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石井健一郎, 「情報」を学び直す

シャノンの情報理論の入門書。教科書と言うほど固くはなく、手軽に読める。 情報工学を学んだ人にはあまり新しい情報は無いかもしれないが、百人一首 (競技かるた) の詠み札を例に挙げた解説は非常に分かり易く、一読の価値あり。
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瀬川陣市, 新・デジカメ写真術 ベストショットが撮れる47のシーン別アイディア集

写真撮影のtips集だが、一般人がよく写真を撮るシーン別にまとめてあるので使いやすい。 デジタル一眼レフを買うほどの写真マニアではないが、手元のコンパクトデジカメだけでもうワンランク上の写真をとりたい、というあたりが主な対象読者か。体系的な知識を学べる本ではないが、手軽に脱・素人を目指す向きには悪くない。
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aico(著), 株式会社ディレクターズ(著), 村井純(監修), 小悪魔女子大生のサーバエンジニア日記 インターネットやサーバのしくみが楽しくわかる

タイトルは "サーバエンジニア日記" となっているが、大半はTCP/IPやDNS、電子メールなどの基礎技術の解説。サーバエンジニアにはむしろ計算機の知識のほうが必要な気もするが、そちらは末尾でさらりと触れているだけ。また、サーバエンジニアにここまで細かいネットワークの知識が必要かとも思う。 その辺りの対象読者の不明確さを抜きにすると、技術的には意外にもまともな内容。イラストや手書き文字は好みが分かれるところだと思うが、好みに合えば入門書としても薦められる。既に理解されている方...
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荒俣宏(監修), アラマタ大事典

分類としては児童書になるのだろうが、大人が読んでも十分に楽しめる。 取り上げられている項目は相当な偏りがあるが、それが本書の味。小学生男子が食い付くネタという意味では一貫性がある。記述は概ね妥当だが、娯楽性を重視してか、ややオカルト系に肯定的な記述が目立つのだけは気になる。
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佐藤洋一, BASIC800で書ける! 理系英文 使うのはいま覚えている単語のみ! だれでも学べるカンタン英語

表題にもなっているBASIC800は制限言語の一種だが、無理に語彙を制限する種類のものではなく、3Cs (Clear, Correct, Concise) を満たすためならば専門用語の柔軟な使用を認めるなど極めて実用的な内容。 英作文の教本としてみた場合、原文解釈や和文和訳 (和文を英訳する前段階として、英訳しやすい和文に書きなおすこと) に重点を置いているのが特徴的。普段英訳する際にも同じ段階を踏んでいたが、それを自覚させてくれた効用は大きい。 説明も平易で非常に読みやすい...
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本橋信也(著), 河野達也(著), 鶴見利章(著), 太田洋(監修), NOSQLの基礎知識 ビッグデータを活かすデータベース技術

表題どおりのNOSQLの入門書。 NOSQLの思想の背景にあるCAP定理やACID, BASEといった基礎概念からしっかり学べる。 主要なNOSQL製品の分類や性の比較まできちんとまとまっており、これ一冊でNOSQLの学習から導入までをしっかりサポートしてくれる。おすすめ。
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ティナ・シーリグ(著), 高遠裕子(訳), 三ツ松新(解説), 20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

嫌でも前向きな気持にさせられる自己啓発本。 著者本人や知人のエピソードを通じた話題が多く、感情移入して読める。特にお気に入りは、第8章の交渉に関わるエピソードの数々。交渉の際には自分の望みと交渉相手の望みと一致しているケースが実は多い、という事実はつい忘れがち。 スタンフォード大学での講義に加え、著者の経歴を生かした様々なワークショップ技法などに触れられているのも良い。
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宮崎市定, 科挙 中国の試験地獄

様々な伝説がひとり歩きしている感のある科挙試験の実態を詳細に解説したもの。 特に末期の清朝の制度を中心に解説しているせいもあるが、科挙が恐ろしく複雑な制度であることがよくわかる。中でも特色的なのは、人間を信用しないがために生まれた不正防止の方法の数々。何重にも重ねられたチェック体制がいたずらに試験を肥大化させている原因の一つである。 また、科挙にまつわる道教思想に基づいたエピソードの数々も現代とはかけ離れた感覚があり面白い。 著者独自の考察としては、国家として教育に投資せず民...