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江頭2:50, 江頭2:50のエィガ批評宣言

最近はエガちゃんねるが絶好調の江頭2:50による映画批評。江頭2:50のピーピーピーするぞ!のトークのよりぬきに、書き下ろしの生涯映画ランキングベスト25などを加えたもの。 いつもの勢いだけの映画評かと思いきや、ところどころ芸人視点の鋭い意見が現れるのが侮れない。巻末の特別付録エガちゃんシールも嬉しい。
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宮下規久朗, オールカラー版 欲望の美術史

食欲や愛欲といった人間の根源的な欲望に加えて、金銭欲の視点から美術史を眺めているのが興味深い。美術作品も社会に流通する商品であり、むしろ金銭に執着する芸術家の方が才能に恵まれ多産であることがよく分かる。
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田房永子, キレる私をやめたい 夫をグーで殴る妻をやめるまで

ヒステリーでDVを振るっていた女性が、様々なセラピーやクリニックを経て、ゲシュタルトセラピーに辿り着くまでの物語。標準治療が (少なくとも患者視点では) 患者のニーズに応えられていない以上、こういった代替医療が受け皿となってしまっているのはやむを得ないと感じる。
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タカ大丸, 貧困脱出マニュアル

問題のある家庭から翻訳者・通訳者としての地位を確立した著者が語る貧困脱出の方法。おすすめの職業として競輪・競艇や相撲を挙げているのは突飛に感じるが、参入障壁が低く収入が高いスポーツというとこのあたりになるのだろう。二世が比較的多い点もそれを裏付けている。
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猫組長, 西原理恵子, 猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言

元経済ヤクザによる経済コラム。西原理恵子のマンガは巻頭のみ。 すぐに活用できるようなネタは多くないが、読み物や話のネタとしては満点。その中で、HSBC等の海外口座開設の審査の通し方は数少ない実用的な内容。
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お股ニキ(@omatacom), セイバーメトリクスの落とし穴

タイトルからはセイバーメトリクスの問題点を取り上げているかと思えたが、そのような部分はほんの4ページほど。それも、セイバーメトリシャンがデータだけを絶対視しており解釈や切り口を軽視しているという先入観に基づく批判であり、さすがに言いがかりだろう。 本書の大半を占める野球エッセイはほぼエビデンスがなく、ところどころ示される数値も他の研究の借用。そのエビデンスがない点は他の方からも指摘を受けているらしいが、 こうした話をすると「エビデンスはあるのか」「無意味な練習はない」とよく言...
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青木雄二, ゼニの幸福論

マルクス主義者の著者らしく、マルクスの "働くものは儲けず、儲けるものは働かない" という言葉を引き合いに出し、 人間、遊んで暮らすのが最高の幸福である。 という実感を語る。この自然な感情は否定できない。とはいえ、労働の尊さが否定されるものではなく、"人に請われて仕事をすること" もまた幸福を感じるものだ。 現在の生活が幸福かを判定する方法として、エンゲル係数を改良した青木係数を提案している。これは食費と住宅費が消費支出に占める割合を算出したもので、五割を超えているようであれ...
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ひろゆき, 無敵の思考 誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21

ひろゆきらしい飄々とした生き方の指南書。 表題にもなっている "無敵" とは、自分の軸で幸せを感じられるということ。その意味で、ただの消費者よりもモノづくりをする人は "無敵" になりやすいという考えは納得できる。
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汐街コナ(著), ゆうきゆう(監修・執筆協力), 「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)

うつ病経験者によるうつ病体験記。Twitterに掲載されていたマンガに加筆して書籍化したもの。ブラック企業により追い込まれた人の事例が多数掲載されているので、近い境遇の人にはぜひ手にとって欲しい。精神科医の監修も入っており、正しい対処法の情報も手に入る。
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ニコ・ニコルソン, ナガサレール イエタテール

東日本大震災からの自宅再建マンガ。悪いことは重なるもので家族の問題が次々に襲いかかるが、共済や保険の備えがしっかりしていたおかげで金銭的に逼迫していないのが救い。マンガも明るいタッチであまり悲壮感なく読める。