fiction

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西村賢太, 二度はゆけぬ町の地図

いつもの私小説で、特に未成年の頃の回想作品が中心。 DVの描写がないせいか、他の作品よりも感情移入できるように感じる。
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西村賢太, 暗渠の宿

いつも通りの私小説で、描かれる時期もどうで死ぬ身の一踊りと前後している。 ここまで自分をさらけ出してしまう思い切りの良さには圧倒される。読後感はやはり最悪だけれど。
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西村賢太, どうで死ぬ身の一踊り

西村賢太の小説を読むのは苦役列車に続いて2冊目。同じく私小説で、藤澤清造の全集刊行に向けて動いていた時期を切り取ったもの。 著者の癇癪と家庭内暴力には私小説であることを思い起こしてうんざりするものの、それでも一気に読ませる力には凄まじいものがある。
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乙一, ZOO (2)

1巻に続き、2巻もややホラー風味。 その流れの中でちょっと意表をつかれたのは "Closet" 。こちらも構成が見事な作品。
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乙一, ZOO (1)

乙一の短編集。元は一冊の単行本だったものが文庫2冊に。化された5作品がこちらの1巻に収録されている。 ジャンルは様々だが、ホラー寄りのものが多いか。"SO-far そ・ふぁー" はプロットもオチも秀逸でおすすめ。
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麻耶雄嵩, 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件

今更ながら麻耶雄嵩のデビュー作を。 この著者の作風がデビュー当初からのものであったことがよく分かる。本作もトリックを中心にツッコミどころがあり過ぎるが、麻耶雄嵩なので仕方がない。
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橘玲, タックスヘイヴン Tax Haven

橘玲お得意の金融小説。租税回避ネタを中心に、ミステリ、ロマンス、アジア紀行と要素を詰め込みすぎている感はあるが、やはり一気に読ませる力がある。おすすめ。
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東野圭吾, 変身

ストーリーにはあまり意外性がないが、一人称視点での主人公の心理描写は見事。娯楽小説としては申し分ない。
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STEINS;GATE

発売5周年記念サマーセールの時に購入して放置していたSTEINS;GATEをようやくプレイ。 ほぼ一本道なので、あまりゲームを遊んでいるという感覚がなく、ビジュアルノベル気分。設定もキャラクターも癖がある作品なので好き嫌いは分かれると思うが、巷で言われているようにストーリーの質はなかなか。
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山本弘(著), 徒花スクモ(イラスト), 詩羽のいる街

山本弘にしては珍しい、SF要素少なめの現代劇。小説としての構成はさすがで、所々にちりばめられた伏線や小ネタが良い味を出している。 最近の趣味を反映してか、アニメ文化の知識がないと面白さが分からないと思われる部分が散見される。また、著者の思想が強めに出ている作品なので、やや読者を選ぶかもしれない。