book 北寺尾ゲンコツ堂, 「ゲテ食」大全 そこらの新緑やドングリに始まり、果ては犬猫まであらゆるものを食べてみたレポート。"ゲテ食" というタイトルが付いているが、それほど悪ふざけな内容ではない。むしろ、あらゆる生物は人間の食材として平等であるという強いポリシーが感じられ、哲学的ですらある。どの食材も入手方法から調理方法まで事細かに書かれているので実食してみたい向きにも。もちろん、興味本位だけでも十分に楽しめる。おすすめ。 2010-03-23 book
book 河岸宏和, “食の安全” はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実 著者は畜産を中心に、食肉処理場から食品工場、大手スーパーまでを経験された方。食品流通の暴露話はやっぱり面白い。流通側の視点から "コンビニエンスストアの食品ほど安全なものはない" という言葉が出てくるのは示唆に富む。コンビニ弁当は対面販売の食品と比較して、真空冷却後のチルド輸送などの温度管理やpH管理がきちんとなされていること、衛生管理体制が整っていること、大量生産をする必要があるため毎日原材料から作り上げていること、などは言われてみれば納得の内容。 2010-02-02 book
book 上原善広, 被差別の食卓 自身も「むら」出身である著者が、世界の被差別民のソウルフードを訪ねて旅する。この難しいテーマを扱いながらも読後感が悪くないのは著者の筆力のおかげか。 2010-01-20 book
book 芳川充, 食品の迷信 「危険」「安全」情報に隠された真実とは 比較的まともに食の情報を扱った本。類書と重なる部分も多くあまり新しい情報はないが、バランスは悪くない。フードファディズムに陥りつつある人たちには一読して欲しい。 2010-01-05 book
book 清水克行, 大飢饉、室町社会を襲う! 室町時代の応永の大飢饉をドキュメント形式で。飢饉の中で限られた物資が京都に集約される構造になっており、それを追って難民達も京都に流れ込んだという考察は興味深い。 2010-01-02 book
comic 荒川弘, 百姓貴族 (1) 実家が北海道の農家という漫画家による農家エッセイコミック。農家の常識は社会の非常識というが、世の中には知らないことがまだまだ沢山あるのだと思い知らされる。漫画としても文句無く面白い。おすすめ。 2010-01-01 comic
comic 川上弘美(原作), 谷口ジロー(作画), センセイの鞄 (1) 漫画アクションで連載中の谷口ジローの新作。原作の小説は読んでいないが、完全に谷口ジローの世界に取り込まれているように感じる。第一話の居酒屋からセンセイ宅への静かな流れと細かなセリフの一つ一つに絡み取られ、一気に読み切ってしまった。おすすめ。 2009-12-29 comic
book 大田垣晴子, 焼酎ぐるぐる 焼酎入門書だけど、太田垣さんの本なのであまりマニアックな紹介や蘊蓄はなく、九州観光と蔵本巡りがメイン。気軽に焼酎ブームに乗ってみたい向きにはおすすめ。 2009-12-28 book
book 村上春樹, もし僕らのことばがウィスキーであったなら お酒も弱くウィスキーのことは何もわからないけれど、こういった粋な旅には素直に憧れる。陽子夫人による写真も実にいい。 2009-12-24 book