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ヒトラー 最期の12日間

池袋シネマサンシャインでヒトラー 最期の12日間を鑑賞。朝一の回だったせいか、客の入りは3割程度。 映画は第二次世界大戦末期の1945年、ソ連軍によるベルリン包囲からドイツの無条件降伏までの12日間のみを描く。おそらく、ヒトラーとナチスがしてきたことには一切触れない点が、エルサレムポスト紙の「ドイツは虐殺の歴史を取り繕い美化している」というコメントにつながっている。しかし、自国の忘れたい歴史から目を背けずに注視する姿勢はもっと評価しても良いと思う。 ブルーノ・ガンツ演じるヒト...
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東京都写真美術館(編), ファミリーコンピュータ 1983-1994

ファミコン直撃世代にとってはたまらない一冊。 いわゆる図録仕立てで、ファミコン関連のソフトやハードの写真と関係者インタビューを中心に構成されている。もちろん英訳付き。 なお、ファミコンの全ソフト1252本を完全収録というふれこみだが、その大半はパッケージ写真のみで画面写真どころか一行コメントすらないので、その手のものを期待すると裏切られる。
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ジャレド・ダイアモンド(著), 倉骨彰(訳), 銃・病原菌・鉄 (上巻, 下巻)

なぜ、欧州の文明が現在の世界を席巻するに至ったのか。なぜその役割はアフリカ大陸やアメリカ大陸、オーストラリア大陸ではなく、ユーラシア大陸の欧州に与えられたのか。この疑問を、各大陸の環境という側面から鮮やかに解き明かす。 最近のノンフィクションの中では一番の当たりかも。お勧めです。
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渡部昇一, 講談・英語の歴史

元々はゲルマンの一方言に過ぎなかった英語が、フランス語の語彙を取り込み、国際語としての地位を占めるに至るまでの流れを、著者の豊富な古英語や独語の知識を交えて追った本。英語の構造がゲルマン語系とフランス語系からなっている点を、日本語の大和言葉と漢語の関係と対比してみせるくだりも興味深い。文章は平易で読みやすいが、著者が著者だけに少々右寄りな表現が散見されるのが気になる。 しかし、この種の本を読むと、自分の英語ボキャブラリーの無さが嫌になる。地味に続けているヒアリングマラソンもそ...
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佐山和夫, 野球とアンパン 日本野球の謎カウント・コール

紹介文の 日本とアメリカでは、なぜストライクとボールのコール順が逆なのだろうか。野球が国民的スポーツに成長する過程を、パンの受容と日本オリジナルの誕生と対比して描く。 というのにつられて買ったのだが、その肝心の謎は結局解けずじまい。著者による推察はあるものの、決定的な根拠があるわけではないので、あくまでも仮説の域を出ない。アンパンと同じ和洋折衷のたまものだと言われても少々強引に感じてしまう。 野球史の話自体はおもしろかったので損をした感じはしないが、少々看板に偽りありな気がし...
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日経バイト編, ソフトウェアの匠

豪華執筆陣によるソフトウェアに関する各分野の解説集です。一話が20ページ強で完結しているのでお気軽に読めて、ためになる (気がする) 、ちょっと得した気分になる本です。 個人的にツボだったのは八幡勇一さんのキーボード論です。タイプライタに始まるキーボードの歴史がまとめられています。テレックスやメインフレームのインテリジェント端末を体験していなる世代には自明のことも多そうですが、私のようにワープロ・マイコンあたりからキーボードに触り始めた人間がその歴史をかいつまんで知るのにはお...
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R.M.W.ディクソン, 言語の興亡

言語がどの様に生まれ、分岐し、滅亡していくのかを俯瞰的に捉えている。ただし、作者の持論である断続平衡説など、まだ仮説レベルの話も多く含まれているため、その点は注意する必要がある。 言語が失われるプロセスに関するくだりが興味深い。通常、社会的立場の弱い非優勢言語の話者が第二言語として社会的に優位な優勢言語を覚える場合が多く、逆は少ない。これは、英語を話す日本人の割合と、日本語を話す英・米国人の割合を考えれば理解できる。言語が消滅する典型的なケースの一つとして、劣性言語と優勢言語...
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中村敏雄, オフサイドはなぜ反則か

オフサイドのルールは本来不合理なものです。相手のゴールにボールを入れるのが目的のゲームでありながら、相手のゴール近くで待ち構えるという有利な戦術をとってはいけないというのですから。例えば、オフサイドのないバスケットボールでは、ボールを奪った後、最前線にいる味方へパスを出す速攻は最大の得点機です。しかし、現実にはサッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなど、英国のフットボール起源のゲームの多くがオフサイドのルールを持っています。 その有利な戦術をとってはいけない理由について、...
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有馬哲夫, ディズニーとは何か

ソニー・ボノのアレ以来、ちょっとまじめにディズニー関連本を読んでます。この本は、ディズニーの歴史から、ディズニーと人種問題・フェミニズム・アメリカ史との関わり、ディズニーと諸外国の文化摩擦、日本にとってのディズニーまで幅広く一通りのことが押さえられていてお勧めです。
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林茂光, 四六書院, 麻雀競技法とその秘訣

またうっかり入手してしまいました。麻雀古書。 昭和5年発行の戦前本です。この著者の林茂光という人、親の配牌のチョンチョンという言葉を生み出した人として一部で有名です。 内容はルール解説から、戦術論、麻雀観と世評までと幅広いものになっています。 ルール部分はいわゆる清麻雀ベースのもので、ここは特筆するべきものはないように思います。もちろん、当時のルールを知る上では有用な資料ですが。また、戦術部分の完成度の高さには驚かされます。基本的な戦術は網羅しており、今そのまま現代語に訳して...