journalism

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ヨリス・ライエンダイク(著), 田口俊樹(訳), 高山真由美(訳), こうして世界は誤解する ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

中東のアラブ世界で特派員を務めたオランダ人記者の手記。 現場でニュースが作られるまでの過程やその中での一記者の無力感、ジャーナリズムの限界などがよく伝わってくる良書。唯一残念なのは翻訳が今ひとつなところ。文章がこなれておらず、素直に入ってこない。
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三橋貴明, マスゴミ崩壊 さらばレガシーメディア

既存マスコミに対する批判本。 従来からネット上で頻繁に語られているマスコミ批判やマスコミの凋落の原因をまとめた体裁であまり新味はないが、今まであまりマスコミに関して興味を持たなかった人が一冊目に読むには良い内容。
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渡邉正裕, これが本当のマスコミだ 社員が教える企業ミシュラン

マスコミ各社の企業情報を、従業員の立場で評価したもの。 週刊誌的に読むのなら面白いが、真偽が不明な情報や憶測と思われる内容も多いので話半分で。2005年の出版のため、現在では少し古くなっている点も注意。
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小島正美, こうしてニュースは造られる 情報を読み解く力

毎日新聞の編集委員が書いたリテラシー本。著者は環境や健康、食の問題を担当してきたこともあり、その方面の情報が中心。 リテラシー本として見るとあまり新しい情報は無いが、マスコミ内部からこういった自己批判が出てきたことは評価できる。
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上杉隆, ジャーナリズム崩壊

記者クラブを中心とした日本のマスコミ批判。テーマがテーマだけに少々愚痴っぽいのは仕方のない所。 ジャーナリズム論としてみると、自身が所属していたニューヨーク・タイムズや諸外国のやり方に合わせろというばかりで、その良し悪しの議論を端折っているのは少し不親切。また、なぜその問題だらけの記者クラブの構造が今まで残っているのかや、それを再構築するにはどうするべきかの議論も足りない。
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葉山宏孝, AD (アシスタントディレクター) 残酷物語 テレビ業界で見た悪夢

著者は制作会社でのAD経験者。今でこそネットを通じてADの待遇が知られることも増えたが、活字メディアでの内情暴露はまだまだ貴重。 著者はルポタージュのつもりで書いているようだが、それにしては踏み込みが浅い。一人の体験談として読むのならば実に興味深い内容。
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堤未果, ルポ 貧困大国アメリカ

アメリカが抱える問題は数多くあるが、それらをすべて貧困という切り口で扱ったルポタージュ。 映画 "SiCKO" で有名となった医療費の問題、国民病とも言える肥満問題、災害による経済難民問題、貧困の連鎖の犠牲者となる若者たち、戦争の民営化の犠牲者となるワーキングプア、すべてが貧困と密接な関係がある。 米国に拠点を置く著者らしく、豊富なインタビューも魅力。
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小林弘人, 新世紀メディア論 新聞・雑誌が死ぬ前に

著者はサイゾーやギズモード・ジャパンの立ち上げで知られる方。 話がポンポン飛ぶ雑多な構成とラフな文体が少々読みにくいが、"雑誌の役割はコミュニティを作ること" というメッセージは伝わってくる。
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玉木正之, 続「スポーツ解体新書」

良く言えば玉木正之の集大成的な本。氏の著作や連載を読んでいる人にとっては新しい情報は少ないが、日本のスポーツの問題点をえぐり出す力はやはり見事。
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ヒッチハイク愛好会, 猿岩石大ウソ日記

一昔前に大ブレイクした猿岩石のユーラシア大陸横断ヒッチハイクの内容を検証しようという暇な本。それを読んでいる自分はもっと暇人か。 テレビの企画をノンフィクションだと信じてしまう人ならば一度読んだ方がいいのかもしれない。