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奥村倫弘, ヤフー・トピックスの作り方

Yahoo! Japanのトップページに表示されているトピックス担当者のお話。トピックスがどのような体制で運営されているのかという内情は単純に興味本位で面白い。 後半は既存メディアとの関係を含めたニュースのあり方が語られる。読売新聞出身という著者の背景もあってか少々既存メディアに寛容に感じるが、大筋ではまともな内容。
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杉山隆男, 兵士に告ぐ

陸, 空, 海に続いて選ばれたテーマは、島嶼防衛を任務とする西部方面普通科連隊。 15年に渡って自衛隊を追いかけている著者だけあって、その人脈を活用した取材はさすが。しかしながら、本作ではそれが逆に多くのことを詰め込みすぎ、ポイントをぼやけさせてしまっている原因とも思える。
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サイモン・シン(著), エツァート・エルンスト(著), 青木薫(訳), 代替医療のトリック

数学、暗号、宇宙に続いて、サイモン・シンが新たに選んだテーマは代替医療。 鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法といった代替医療を取り上げているが、それらを頭からオカルトと決めつけるのではなく、きちんとした臨床試験の結果をまとめた系統的レビューによって評価していこうという姿勢には好感が持てる。ただし、タイトルがネタバレになっているのだけは少し残念 (英語版の原題は "Trick or Treatment?" というもう少し中立なものなので、これは日本語版だけの問題...
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高橋秀実, からくり民主主義

マスコミで良く取り上げられる現場の "現地民の日常の空気" を取材したお話が中心。 諫早湾干拓、上九一色村、沖縄米軍基地、若狭湾原発、富士青木ヶ原樹海などマスコミ報道を見ていると大騒動に感じられる場所でも、現地に行ってみると案外醒めているというのはよくある話なのだろう。
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松永和紀, メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学

特に食に関する話題を中心としたメディアリテラシー本で、食卓の安全学の続編的な内容。類書に比べてあまり目新しい視点はないが、毒性学の基本 (用量依存性) 、添加物の安全性、オーガニック食品のリスク (天然農薬) 、伝統食の過剰な美化など、マスメディアの報道で誤解されがちな内容がよくまとまっている。 また、本書中で紹介されている食品安全情報blogも必読。
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鄭大均, 在日・強制連行の神話

いわゆる強制連行の実像に迫る本。 本書で取り上げられる多くの文献や証言は、在日一世の多くがチャンスを求めてもしくは教育を受けに自らの意志で日本に渡ってきたことを示している。また、強制連行の神話がどのように広がってきたかについてもきちんと踏み込んでいるのが素晴らしい。
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杉山隆男, 兵士を追え

陸空に続く新作のテーマは海。それも最高機密の塊である潜水艦。 潜水艦の内部はもちろん、それを取り巻く哨戒機への同乗取材まで行われている。このシリーズらしく充分なボリュームで、前作同様に自衛隊員たちの生の声が多く取り上げられているのが興味深い。
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森田浩之, スポーツニュースは恐い 刷り込まれる〈日本人〉

いわゆるメディアリテラシー本なのだが、スポーツニュースを主題にしたところが面白い。 著者の「スポーツニュースは「オヤジ」である」という主張には強く共感できる。スポーツニュースが無意識に含んでいるオヤジのイデオロギーを理解することで、その力の大きさを感じるとともに、今後のスポーツニュースの見方が変わるだろう。おすすめ。
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森達也, 世界を信じるためのメソッド ぼくらの時代のメディア・リテラシー

昨日に続けてメディアリテラシー本を読む。こちらも子供向けを意識した本で、流して読めば小一時間で終わる分量だが、きちんと読むと内容は濃い。 元テレビ屋の森氏だけあり、テレビの内情と問題点に対する考察は見事。
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河内孝, 新聞社 破綻したビジネスモデル

著者の河内氏は元毎日新聞の常務取締役とのこと。内部の人間だけあって、今までの部数至上主義が招いた弊害や押紙問題はよくまとまっている。また、多くの紙幅をさいている新聞とテレビの系列化によるメディアの独占問題も興味深い。 しかしながら、提示される未来像は今ひとつ。毎日、産経、中日を中心とし、読売、朝日に続く第三勢力を作るという私案はさすがに所々に無理を感じる。また、ネットとの競合については申し訳程度に触れられているだけなのが残念。