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高部正樹, 傭兵の誇り 日本人兵士の実録体験記

著者の高部氏は、「最強の男になる」という夢を叶えるために、日本を飛び出し海外の戦場で傭兵として戦っている方。 傭兵が (少なくとも先進国の人間から見ると) 割に合わない商売というのは軍事に詳しい人には広く知られていると思うが、その実際の数字を見ると愕然とする。男達がどのような思いで傭兵となることを選んだのか、傭兵と正規軍の関係、傭兵同士の信頼関係など、現場の人間でなければ書けないエピソードの数々。繰り返されるマスコミ批判が少し鼻につくが、これが現場の人間達の偽らざる気持ちなの...
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杉山隆男

とをまとめ読み。 膨大な取材を元に、ミクロな視点から自衛隊を見つめるスタイルは、近頃氾濫している机の上だけの憲法改正論や自衛隊論とは一線を画した迫力がある。 仮想敵国がソビエトだったりとさすがに記述が古くなっている部分もあるが、自衛隊の本質は変わっていないと感じる。特に、自衛隊の微妙な位置付けは、本書の書かれた10年前から進歩がないように思う。
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松永和紀, 食卓の安全学 「食品報道」のウソを見破る

著者の松永氏は、農学で修士号を取得した後、新聞記者を経て科学ライターという経歴。さすがに専門の農学の知識は深く、参考になる。 また新聞記者の経歴を生かしてか、多くのページがメディアリテラシーの話に割かれている。食品報道だからといって特別なわけではなく、ジャーナリズムを正しく利用することが重要であるのは他の報道と変わらない。
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烏賀陽弘道, 「朝日」ともあろうものが。

ネットに普及に伴い、朝日新聞をはじめとするマスコミ各社への批判を見聞きすることが確実に増えた。その中で、偏向報道や妙な特権意識、捏造記事などの問題は一通り知っているつもりでいたが、このような内部からの告発はやはり迫力が違う。文章も構成もよく練られている。お勧め。
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池田信夫, 電波利権

かつてNHK中の人だったこともあり、テレビ局の利権構造やNHKの内実などが非常によく描かれている。電波に関する本といえば技術に関するものが大半を占めている中、政治やビジネスの観点からまとめられた本書は評価できる。 技術的な知識なしでも読めるように配慮されているので、この分野の入門書としてもお勧めできる。
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古森義久, 井沢元彦, 稲垣武, 朝日新聞の大研究 国際報道から安全保障・歴史認識まで

朝日新聞の偏向ぶりについては、いろいろなところで取り上げられているのでご存じの方も多いかと思う。その具体例をまとめた本。 大研究というタイトルが付いているものの、過去の捏造や偏向報道のまとめが大半を占めており、もう少し研究の名に値する様な掘り下げが欲しいところ。読み物としては十分におもしろいのだけれど。
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ベンジャミン・フルフォード, 日本マスコミ「臆病」の構造

日本のマスコミがそれほど立派なものではないというのは、みんな薄々勘付いていることだと思う。どの新聞にも似たような記事ばかりだし、差別問題などタブーとして扱われずにスルーされる話題も多々ある。 日本マスコミがなぜそんな現状に陥っているのか、外国人記者という利点を活かして暴露した本。記者クラブなどのよく取り上げられる問題点に加え、新聞に書けない記事が週刊誌や海外の新聞へリークされる構造など、マスコミの背景に切り込んでいるのは非常に興味深い。メディアリテラシーの向上にもつながる一冊...
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東谷暁, エコノミストは信用できるか

いつも各種マスコミで好き勝手な事を言っている (かのように見える) エコノミスト達。その過去の発言を検証している。ここで興味深いのは、過去の予想が的中したか否かのみではなく、長期に渡り発言の一貫性が保たれているかの検証に重きを置いていること。下手をすると細かい揚げ足取りになりそうな企画だが、概ねきちんと俯瞰されているのがすばらしい。巻末には40名の有名エコノミストの通信簿も付属している。 この発言の一貫性チェックは、エコノミストに限らずに他の業界でやっても面白いのではないかと...