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長谷川高, 家を借りたくなったら

賃貸住宅の入門書。部屋余りの現代における部屋の探し方から不動産の選び方、内見のポイント、契約と退室まで一通りをカバーしている。敷金トラブルの解決策まで触れているのも心強い。
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郷田マモラ, モリのアサガオ 番外編

モリのアサガオの続編。 本編と同様、法学よりも感情論に偏りがちではあるが、死刑反対派の素直な感情はこのあたりかもしれないと思う。
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佐藤秀峰, 漫画貧乏

著者が漫画 on Webを立ち上げるまでの過程を綴ったもの。冒頭には一時期話題になった著者の自己紹介漫画も収録。 ここまで喧嘩腰になる必要があるかはわからないが、リアルなお金の話は面白い。権利関係の考えなどは漫画家側の視点に偏りすぎてはいるが一理はある。
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向井蘭, 社長は労働法をこう使え!

労働者側ではなく使用者側の視点での労働法解説。立ち位置としては労務管理における労働法上のグレーゾーンとその対応に近いか。 参考文献が示されておらず情報源が不明な部分が多いため、どこまで鵜呑みにして良いかはよく分からない。また、一部の例外的な問題労働者を一般化している様に見える箇所も散見される。 これらの欠点を除けば案外穏当な内容。使用者寄りと言いながらも、 解雇権と比べて人事異動等の権利が強すぎる点や、過去の判例を重視せざるを得ない裁判システムの問題も指摘している。
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ゲーリー・S・ベッカー(著), リチャード・A・ポズナー(著), 鞍谷雅敏(訳), 遠藤幸彦(訳), ベッカー教授、ポズナー判事のブログで学ぶ経済学

The Becker-Posner Blogのより抜きを翻訳したもの。後半にはベッカー教授のBusinessWeek誌の連載も収録。 Blogは双方がやや遠慮しているせいもあるのか、激しい討論というよりはやや落ち着いた議論となっている。率直な深い議論が行われているのはむしろ後半のベッカー教授の単著の部分。こちらは視点も論理展開もなるほどとうならせるものが多い。
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渡辺仁, セブン-イレブンの罠

金曜日の出版なので半信半疑で読み始めたが、意外にもまともな本だった。 セブン-イレブンのフランチャイズ問題、特にロスチャージやオープンアカウント、ドミナントといった悪名高い問題に切り込んだドキュメンタリー。セブン-イレブンの異常なまでの高収益の源泉がどこにあるのかが見えてくる。 全体を通じて読みやすい本だが、似たような話が多くやや冗長に感じる部分がある。これは情報源が限られているせいもあるかもしれない。法的な部分の解説はほぼ北野弘久日本大学名誉教授の受け売りで、多面的な見方が...
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岩松正記, 個人事業、フリーランス、副業サラリーマンのための 「個人か? 会社か?」から申告・節税まで、「ソン・トク」の本音ぶっちゃけます。

個人事業主や法人成りを検討している人のための税入門書。 著者は "ぶっちゃけ" を売りにしている様だが、それでもやはり工学系の人間から見るとグレーゾーンが広く感じるのは税法の仕方ないところか。
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岩谷誠治, 借金を返すと儲かるのか?

会計の入門書だが、非常に分かりやすく噛んで含めるように教えてくれる。 類書に良くある "決算書だけ読めればいい" というスタンスではなく、一番の基礎となる簿記から逃げずに (しかも平易に) 解説している点は評価できる。
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塚本宇兵, 指紋は語る “指紋の神様” と呼ばれた男の事件簿

警視庁鑑識研究所長まで務めた著者による指紋の入門書。 指紋の基礎から説明されており、一切の予備知識無しで読める。また、さすがに現場の大ベテランだけあり、現場での採取方法や指紋を用いた推理の実例などの情報が非常に豊富。ヘタな推理小説よりもよっぽど面白く読める。 少し不満だったのは、誤認逮捕を誘発しかねない第二種過誤の可能性に関する詰めが甘いところか。特徴点の多さを拠り所に説明しているが、各特徴点が独立であることを暗黙の前提としているのはいただけない。また確率の概算を行う際に、特...
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橘玲, 臆病者のための裁判入門

外国人の知人が巻き込まれた小さな民事事件に関わることとなった著者による裁判録。 外国人の代理人として関わっている立場のため、日本の司法制度の問題点が非常に客観的に見えているのが良い。 実際に事件に巻き込まれた場合の対処方法も参考になる部分が多い。どういった機関にどの順序で相談に行くべきかはもちろんのこと、弁護士や裁判官がどういった行動原理で動いているかも非常に重要。 後半は単独の事件からは少し離れて司法制度一般の話。前半の裁判録は橘氏にしては少し珍しい内容であったが、こちらは...