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野口大, 労務管理における労働法上のグレーゾーンとその対応

労務トラブル本の世界では労働者側に立った本が主流だが、こちらは徹底して企業経営者側に立った本。 元々グレーゾーンが広い世界ではあるが、過去の判例から裁判所が重視する要素が抽出されておりわかりやすい。また、徹底して実務寄りの対処方法が示されている点も心強い。
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河合幹雄, 終身刑の死角

死刑について論じる本は多いが、こちらは仮釈放なしの終身刑がテーマ。 超党派の議員連盟である "量刑制度を考える超党派の会" が仮釈放なしの終身刑を主張しているが、多分に感情的な主張であり、法学的にも刑務所の実運用的にも多くの難題を抱えていることがわかる。特に、仮釈放なしの終身刑となった受刑者はもはや怖いものがなくなるため刑務所内の統制がとれなくなる危険性は指摘されるまで気づきにくいところ。 単に法学的な点から論じるだけでなく、刑務所内での処遇や他の制度との兼ね合い、受刑者の更...
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郷田マモラ, モリのアサガオ 新人刑務官と或る死刑囚の物語 (5) (6) (7)

7巻の完結編までまとめ読み。 刑務官である主人公の視点で死刑制度の意味を考えるという構成は良いのだが、最後は感情的な結論に至ってしまっていたり、本来は死刑制度とは切り離して考えるべき冤罪問題をないまぜにしてしまったりしているのがやや残念。
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郷田マモラ, モリのアサガオ 新人刑務官と或る死刑囚の物語 (1) (2) (3) (4)

死刑制度をテーマにした作品。とりあえず4巻まで一気読み。 悩める新人刑務官の視点を中心に、加害者の死刑囚、遺族、各種の支援団体、ベテラン刑務官など、さまざまな切り口から死刑制度を考える作品となっている。死刑制度の意義についても、賛成側反対側の双方の考えがきちんと取り込まれており、作者の取材の成果が伺える。 絵は少々癖があり好みが分かれそうだが、このテーマは誰もが考えるべきもの。食わず嫌いをせずに読んでほしい。
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津田岳宏, 賭けマージャンはいくらから捕まるのか? 賭博罪から見えてくる法の考え方と問題点

麻雀ファンなら一度は疑問に思ったことのあるお題を現役の弁護士が追いかける。 もちろん、刑法の条文解釈と判例の調査が基本になるのだが、それにとどまらずに雀荘関係者への取材を通じてボーダーラインを探ろうとする姿勢は素晴らしい。ただし、それで得られた結論が、都内のピンやテンゴのフリー雀荘は逮捕の可能性は殆ど無いが運が悪いと逮捕されることもある (逮捕実例あり) 、という曖昧なものであるのはやはり残念に思う。 後半はそこからさらに飛躍して、刑法の賭博罪のあり方について。そもそもの賭博...
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茅原裕二, 佐藤さんはなぜいっぱいいるのか? 身近な疑問から解き明かす「商標」入門

弁理士による商標の話。 原則論などの固い話ではなく実例から入るタイプなので読みやすい。取り上げられている実例もスターバックスとエクセルシオール、餃子の王将と大阪王将、ラーメンの大勝軒や家系など読み物としても面白いものばかりの上、一般のニュースではあまり取り上げられない商標という切り口で見ると新たな発見が多い。お勧め。
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小堺桂悦郎, 新版 なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?

少し前に売れた会計本の改訂版。 小ネタを拾う本と割り切れば面白いが、会計の勉強には厳しい内容。文章はかなり癖が強いので、好みが分かれるだろう。
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シバキヨ, 明日、夫が逮捕されちゃう!?

さすがにこの表題は羊頭狗肉が過ぎるのではないかと思える。 行政書士と弁護士の縄張り争いという非常に興味深いテーマを扱っているにも関わらず、表面しか触れられていないのが残念。
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きたみりゅうじ, フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。

税務申告本なのだが、面倒な理論や建前は飛ばしてどうすれば得か損かだけに絞っているのが好感が持てる。また、どこは手を抜いて良いところかが明確になっているのもポイント。 表題はフリーランス向けになっているが、確定申告が必要な人なら誰でも読む価値がある本。
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谷岡一郎, はじめての刑法入門

著者買いだが、他の著書に比べると少々キレがないか。 雑多に盛り込みすぎで、散漫な印象。この著者ならば、賭博罪あたりに絞って一冊書いてしまった方が魅力的だったのではないか。