military

book

谷口正次, メタル・ウォーズ 中国が世界の鉱物資源を支配する

ベースメタル、レアメタル、レアアースといった鉱物資源の世界規模での奪い合いを描いた作品。著者は小野田セメント出身で世界各地での鉱山開発の経験を通じて資源戦争 (メタル・ウォーズ) の現状を熟知しているため、日本の資源戦略のお粗末さに対する怒りが強く感じられる。マクロで見た統計的な情報と、自身の経験や現地取材によるミクロな情報の両方がきちんと押さえられており、資源戦争の現状を把握するには最良の一冊。反面、読み物として見ると少々厳しい。前半半分程度を中国の資源囲い込みの実例が占め...
comic

佐藤大輔(原作), 伊藤悠(漫画), 皇国の守護者 (3) (4) (5)

盛り上がってきてこれからというところでまさかの完結。唐突な終わり方から打ち切りかと思われるが、これだけの作品を途中打ち切りとするのは理解に苦しむ。
comic

佐藤大輔(原作), 伊藤悠(漫画), 皇国の守護者 (1) (2)

とりあえず2巻まで。架空世界の戦記モノだが、剣牙虎、導術、天龍族といったファンタジー要素ともう少し地に足の付いた軍事要素とのバランスが素晴らしい。主人公・新城直衛のキャラクタ造形も実に魅力的で、感情移入して読めてしまう。
diary

Bechtel International Centerの掲示板

たまに前を通るBechtel International Centerの掲示板にこんな張り紙が貼ってある。中国漁船衝突事件が発生した後に少し後に初めて発見したときは何も書き込みがされていなかったと記憶しているが、そのあと少しずつコメント (?) が加わってこんな姿に。ネットの掲示板とは違うのんびりしたペースで炎上していく様子は何だか新鮮に感じる。
book

黄文雄, 満州国は日本の植民地ではなかった

台湾人の著者による著作で、親日反中という思いが強く出すぎているがために自虐史観に染まった人には叩かれそうなところが多いが、主張は一応の筋が通っている。
book

瀧野隆浩, 自衛隊指揮官

著者は防大卒の新聞記者。やや感情的になりすぎている箇所も見られるが、そのコネを生かして伝える自衛隊指揮官の生々しい声は読む価値が十分にある。
book

松村劭, 14歳からの戦争学

14歳向けかというと微妙だが、内容はまとも。平和を望むならば、ただ戦争反対と叫ぶのではなく戦争を学ぶ必要があるという考え方はもっと理解されても良いと思う。なお、購入の際はタイトルが似通っていると間違えないように注意。
book

山本武利, 日本兵捕虜は何をしゃべったか

主に太平洋戦争中の日本兵捕虜からの情報流出を追った本。太平洋戦争中の日本軍の捕虜教育の杜撰さはよく知られるところだが、その他にも遺棄された作戦命令書や日記からの情報流出も連合軍側に多くの情報をもたらしている。当時の日本軍は国内や植民地での防諜には力を注いでいたものの、前線からの情報流出の認識が遅れ、気付いた後も伸びきった前線に指令を徹底できなかったことが見て取れる。米国側の視点からもよく調査されており、日本語の文書解読や尋問を担当するATIS (Allied Translat...
book

斎藤美奈子, 戦下のレシピ 太平洋戦争下の食を知る

戦時中の記録のうち、婦人雑誌のレシピに目を付けたのは見事。ただし、資料をまとめましただけで終わってしまっているのが少し残念。この手の企画には、実際に試作・実食しての評価を期待してしまう。巻頭カラーに少しだけ当時のレシピに沿って調理した写真が掲げられているが、あまり本文とリンクしていない。
book

ジョージ・フリードマン(著), 櫻井祐子(訳), 100年予測 世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図

20年以上の長期スパンでの世界情勢を予測したもの。過去の歴史をそのタイムスケールで見てみると、未来が現在の空気とは大きく異なる方向に動くということには異論の余地がない。日本、トルコ、ポーランドが長期的には大きな力を持つという著者の予測はそこまで突飛なものとも思えないが、基本的にはSFだと思っていた方が良いだろう。一部、宇宙プラットフォームを活用した戦争のくだりなどはなどは、さすがにSFとしても筆が滑りすぎているように思う。