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ビル・パーキンス(著), 児島修(訳), DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

今までのマネー本はいかに資産を増やすかばかりで、その使い方についてはファイナンシャルプランナーに相談して必要な金額を見積りましょうとアドバイスするのがせいぜいだった。一方で本書はいかに資産を有効に活用して豊かな人生を送るかを述べている。そのメッセージは明快で、経験に投資をしろというもの。この方針はモノよりも経験に投資することが幸福度を高めてくれるという近年の幸福度の研究とも整合している。経験は記憶として残り、常に思い出を通して人生の出来事を再体験できる。 自身の体験以外に家族...
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早池峰キゼン, テンバイヤー金木くん (1) (2) (3)

COMIC MeDuの連載を単行本化したもの。転売という賛否両論のテーマながら、金木くん、大友くんをはじめとする主要キャラクタがどれも憎めない仕上がり。
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橘玲, 裏道を行け ディストピア世界をHACKする

常識やルールの裏をかくことで普通の人々の上を行くHACKがテーマ。HACKする対象は、恋愛、金融、脳、自己啓発と多岐にわたる。いずれの項目も過去の著作の焼き直しの部分が多いが、現況に合わせてアップデートはされている。
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浅田次郎, ハッピー・リタイアメント

天下りをテーマにした娯楽小説。天下り官僚の生態をユーモアたっぷりに描くところはさすが。堅物の自衛官との対比も良い。オチも秀逸。
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冨田和成, プライベートバンクは、富裕層に何を教えているのか? その投資法と思想の本質

一般人にはあまり馴染みのないプライベートバンクのお話。 プライベートバンクは顧客の突飛な要望にも応えるカスタムメイドが売りだが、当然預かり資産によりプライベートバンカー1人が扱う顧客数が変わってくる。100万ドル以上の富裕層で55人、300万ドル以上の超富裕層で21人といったところが相場らしい (著者の留学時代の資料が元ネタとのことなので、今ではもう少し相場が上がっていると思う)。 主要なプライベートバンクの顧客管理プロセスが興味深い。多少の差はあれど、いずれも顧客の人生の究...
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水木楊, 人生後半戦のポートフォリオ「時間貧乏」からの脱出

そろそろ自分も人生の残り時間を意識するような年齢になってしまった。幸いにしてそれなりに生活に困らないだけの基盤は整っている以上、最も希少なリソースはやはり時間である。 本書はカネ、モノ、時間の3つの軸でライフスタイルを見直そうという試みている。計算式は年収をどのようにカネ (金融商品) とモノに振り分けたかというフローベースのものであるので、人によってはストックベースに修正して考えたほうが良いかもしれない。いずれにせよ、今まで自由時間というものを意識してこなかった人には考える...
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小島庸平, サラ金の歴史 消費者金融と日本社会

戦前から現代にいたるまでのサラ金や消費者金融の歴史を辿ることで、金融技術の発展やサラリーマンの実態、ひいては日本の経済史までもが見えてくる。 銀行などの金融機関から金を借りたくとも借りられない人々向けの高利貸の歴史は長く、戦前は個人間の資金貸借が盛んに行われていた。これがサラ金の源流と言える。とはいえその実態は素人高利貸に過ぎず、現代のサラ金に直接繋がる勢力が生まれるのは、戦後の団地金融を待たねばならなかった。 その団地金融の代表格が1960年代から1970年代にかけて消費者...
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齋藤孝, 50歳からの孤独入門

人生の下り坂を意識せざるを得ない50歳の生き方指南。特にきちんとした会社員を務めてきた人は自分のプライドやアイデンティティとの折り合いをつけながら生きる術を考えなければいけないのだと思う。 人生のゲームオーバーのときが見えてきた頃のお金との付き合い方の話には感じ入るものがある。本書の述べる 死んだときに100億円持っていても1億円持っていても変わらない。 「50歳になったときの預金通帳が、あなたのこれまでの人生の通知表です」 はいずれも一つの真実ではあると思う。世の中のマネー...
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吉本浩二, 定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ (3)

さすがにステーション・バー村田のような大物はそうそう出てこないが、今巻も甘味の成瀬、ダイソー岩倉など粒ぞろい。彼らの決めゴマの恍惚の表情、特にその眼力は吉本先生にしか描けないものだと想う。
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高井浩章, おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密

お金のことをよく知る不思議な人物が一般人にレクチャーする系のマネー本。 あまりガツガツとした金儲け系ではなく、子供向けの社会教育を意識しているのがポイント。