money

book

前田浩司, 元営業部長だから知っている 不動産投資 騙しの手口

元不動産営業マンの裏話。かぼちゃの馬車事件直後の出版ということもあり、悪徳不動産業者の話題が中心。よく言われることだが、そもそも本当のお値打ち物件は市場に出回る前に売れていることを忘れてはいけない。表に出る前に営業マンが、さらに前には資金力のある業者が買ってしまう場合も多い。これさえ覚えておけば、不動産投資にそうそう騙されることはないだろう。その他、売買契約の場所や書類の文言によってはクーリングオフが適用されないなど、実用的なtipsも多い。
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麻布競馬場, この部屋から東京タワーは永遠に見えない

twitter生まれの虚無小説。短編集だが、勉強ができる子が背伸びして上京して東京に敗れるという一貫したテーマが流れている。こういった作品が生まれるのはtwitterしかありえないと思わせる。FacebookやInstagramではこうした文学が生まれることは決してないだろう。
movie

老後の資金がありません!

ほぼ同名の小説の映画版。家内が大ファンの松重豊が主演ということで一緒に視聴。服装のおかげか珍しく五郎さんに見えない松重豊に驚く。終盤の超展開もこうしてみると映画向きだったと思う。
book

藤沢数希, コスパで考える学歴攻略法

日本の教育の「攻略本」。いわゆるお受験は対象外で、中学受験を経て中高一貫校から大学に進学するか、高校受験を勝ち抜いて進学校から大学に進学するかの比較が主題。日本で育つ大多数の子供はこの二択をすることになるので、親としてももっとも関心があるところだろう。結論から言うと、ほとんどの家庭では公立中高から良い大学を目指すのがコストパフォーマンスの面からは最適になる。中学受験の費用を高校受験のための塾や大学受験のための予備校、短期留学に回したほうが効率が良い。中学受験は1,000万円程...
comic

吉本浩二, 定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ (4) (5)

限られたこづかいでの節約生活や単なる消費ではなく、のめり込む趣味にこづかいを注ぎ込めている人を見ると嬉しくなる。自分の城作り、カレー沼など、クリエイティブな趣味は人生の質を大きく高めているように見える。
book

ビル・パーキンス(著), 児島修(訳), DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

今までのマネー本はいかに資産を増やすかばかりで、その使い方についてはファイナンシャルプランナーに相談して必要な金額を見積りましょうとアドバイスするのがせいぜいだった。一方で本書はいかに資産を有効に活用して豊かな人生を送るかを述べている。そのメッセージは明快で、経験に投資をしろというもの。この方針はモノよりも経験に投資することが幸福度を高めてくれるという近年の幸福度の研究とも整合している。経験は記憶として残り、常に思い出を通して人生の出来事を再体験できる。自身の体験以外に家族の...
comic

早池峰キゼン, テンバイヤー金木くん (1) (2) (3)

COMIC MeDuの連載を単行本化したもの。転売という賛否両論のテーマながら、金木くん、大友くんをはじめとする主要キャラクタがどれも憎めない仕上がり。
book

橘玲, 裏道を行け ディストピア世界をHACKする

常識やルールの裏をかくことで普通の人々の上を行くHACKがテーマ。HACKする対象は、恋愛、金融、脳、自己啓発と多岐にわたる。いずれの項目も過去の著作の焼き直しの部分が多いが、現況に合わせてアップデートはされている。
book

浅田次郎, ハッピー・リタイアメント

天下りをテーマにした娯楽小説。天下り官僚の生態をユーモアたっぷりに描くところはさすが。堅物の自衛官との対比も良い。オチも秀逸。
book

冨田和成, プライベートバンクは、富裕層に何を教えているのか? その投資法と思想の本質

一般人にはあまり馴染みのないプライベートバンクのお話。プライベートバンクは顧客の突飛な要望にも応えるカスタムメイドが売りだが、当然預かり資産によりプライベートバンカー1人が扱う顧客数が変わってくる。100万ドル以上の富裕層で55人、300万ドル以上の超富裕層で21人といったところが相場らしい (著者の留学時代の資料が元ネタとのことなので、今ではもう少し相場が上がっていると思う)。主要なプライベートバンクの顧客管理プロセスが興味深い。多少の差はあれど、いずれも顧客の人生の究極の...