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白輪剛史, 動物の値段

著者のような動物商にとってはその値段は当たり前のことかも知れないが、素人の持つイメージとの乖離は実に大きい。動物というナマ物の値段が、単なる希少度だけではなく、需給関係、飼育コスト、輸送難易度、繁殖難易度、規制など様々な要因に左右されることがよく分かり実に興味深い。
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若林亜紀, 独身手当 公務員のトンデモ給与明細

暴露本としては面白いのだけれど、その域を超えるものがない。ただ興味を引きそうな事例を集めて並べただけで、主張というものが感じられない。
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鈴木みそ, 限界集落 (ギリギリ) 温泉

IT、ヲタク、ネットアイドル、潰れかけの温泉宿、起業、と異質な組み合わせのマンガだが、それでも違和感無く読めてしまう。起業マンガとしてはともかく、エンターテイメントとしては文句なし。
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奥村佳史, 法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる

一般人向けの法人税本。法理論などには触れずに、実務視点なので素人にもわかりやすい。読み終わって読後感として強く残るのは、税知識を得たお得感よりも、異常なまでの面倒臭さと税務署の裁量の大きさ (本書は税理士側の言い分なので、税務署側には別の言い分があるのだろうけれど) 。この種の仕事はとても自分には務まりそうにない。
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マネー・ヘッタ・チャン, ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話

最近のマネーに関わるニュースを童話風に。ネタ自体はそこそこ情報リテラシの高い人にとってはあまり新しいものではないが、一気に読ませてしまう文章のセンスはなかなかのもの。著者のblogもおすすめ。
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川井龍介, これでも終の住処を買いますか

日本の住宅環境にケチをつける本。個別事例がほとんど脈絡なく挙げられているだけで、日本の住宅はこうあるべきという芯の通った主張が感じられないが、住宅の専門家ではない新聞出身のジャーナリストなので仕方がない。読み物としてはそこまで悪くない。
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内藤忍, 初心者は株を買うな!

普通のインデックス長期投資推奨本であまり新しい内容はないが、これから投資をはじめようという人にはいいかもしれない。
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橘玲, 貧乏はお金持ち 「雇われない生き方」で格差社会を逆転する

橘氏の新刊は、サラリーマン法人 (本書ではマイクロ法人と呼んでいる) がテーマ。法人という不思議な仕組みを利用することで税コストを抑えようという趣旨で、類書で既に述べられていることが多い。ただ、橘氏らしい文章は健在なのでファンなら買いだろう。
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ウィリアム・パウンドストーン(著), 松浦俊輔(訳), 天才数学者はこう賭ける 誰も語らなかった株とギャンブルの話

クロード・シャノンやエドワード・ソープといった天才数学者が如何にして最適な裁定取引を実現するに至ったかを追った本。数式はほとんどなく、どちからといえばドキュメンタリーといった体裁だが、現代的な金融工学に繋がる流れはよく捉えられる。翻訳が今ひとつで少し読みにくいが、それを差し引いても読む価値のある本だと思う。
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安部芳裕, 金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った

うっかり読んでみたらただのトンデモ本だった。タイトルに "ロスチャイルド" と入っている時点で警戒するべきだったか。