science

book

R.M.W.ディクソン, 言語の興亡

言語がどの様に生まれ、分岐し、滅亡していくのかを俯瞰的に捉えている。ただし、作者の持論である断続平衡説など、まだ仮説レベルの話も多く含まれているため、その点は注意する必要がある。 言語が失われるプロセスに関するくだりが興味深い。通常、社会的立場の弱い非優勢言語の話者が第二言語として社会的に優位な優勢言語を覚える場合が多く、逆は少ない。これは、英語を話す日本人の割合と、日本語を話す英・米国人の割合を考えれば理解できる。言語が消滅する典型的なケースの一つとして、劣性言語と優勢言語...
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ロバート・アーリック, トンデモ科学の見破りかた もしかしたら本当かもしれない9つの奇説

「トンデモ〜」というタイトルがついていますが、と学会とは一切関係ありません。原題は "Nine Crazy Ideas in Science" で、こちらの方が内容をよく表しています。トンデモという語はセールス用につけられたものかと思います。 本書は、一見トンデモに見えるいくつかの仮説について検証していくというスタイルです。特にお勧めは、「石油、石炭、天然ガスは生物起源ではない」という仮説で、石油は化石燃料ではなく地球の地殻やマントルからしみ出してくるものであり、埋蔵量は現在...
comic

あさりよしとお, まんがサイエンス 9

いつの間にか出ていた。今回は1話完結型で、熱中症などのタイムリーなネタもあり。 しかし、このシリーズのように出版間隔が長いコミックは発売に気づかず、買い逃しそうで困る。アンテナのような仕組みが作れないものか。
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三浦俊彦, 論理パラドクス 論証力を磨く99問

最近は寝る前にこれをちょっとずつ読んでいます。一つ一つゆっくり考えながら読むべき本で、かつ題毎に区切られているので寝る前にベッドで読むのに適していると思います。 内容は純粋な論理の組み立てに加えて答えの出ない思想・哲学的な内容やパズル的な各種パラドクスも含まれており、なかなかバラエティ豊かで飽きさせません。
book

ジョン・エンタイン, 黒人アスリートはなぜ強いのか

現在、トップアスリートの多くを黒人が占めている状況についての総合的な解説書です。黒人アスリートが各種スポーツで高いパフォーマンスを示しているのは揺るぎない事実ですが (例えばオリンピック100mの決勝は黒人選手にほぼ独占されています) 、人種差別を極端におそれるかの国ではその話題に触れることは大きなtabooです。本書では、そのtabooに踏み込むために、極力主観的な記述は避け、慎重に事実と信頼性のある研究を選んでまとめています。 黒人アスリートが優れている各種の証拠に始まり...
book

小塩隆士, 教育を経済学で考える

実データに基づいた検証よりも、理論が中心な本です。興味深いところだけ下に抜き書きしておきます。この辺のお話に興味があれば買いです。 教育は投資と消費の両方の性質を持っている。教育はお金を出す人 (多くは親) と、サービスを受ける人 (多くは子) が異なる場合が多いという点が他のサービスと異なる教育投資がなされるのは不確実性が高いため教育はコール・オプションの購入と近い性質がある教育は本質的に格差を拡大する効果がある
diary

プロ野球ヲタはもっとデータにこだわれよ!

プロ野球ヲタはもっとデータにこだわれよ!というサイト。2chのまとめサイトらしい。週末にじっくり読もう。
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谷岡一郎, こうすれば犯罪は防げる 環境犯罪学入門

ギャンブル関連の書籍でも有名な谷岡一郎先生による環境犯罪学の入門書です。 環境犯罪学 (Environmental Criminology) とは、環境を改善することで犯罪の発生を未然に防ぐ学問です。ここで環境とは、町並みや、店のレイアウト、住宅の庭や塀の作りなどの広い範囲を指します。最近ニューヨークの治安回復で話題になったブロークンウィンドウ理論もその成果の一つです。 本書はこれらの環境犯罪学の考え方が豊富な実例と共に示されており、興味深く読めます。また、環境犯罪学の理論や...
diary

マネー・ボール

せっかく意気込んで洋書を買ったのに、読む前に日本語版が出ると悲しいですよね? ね?
diary

ワレモノ

宅配便を送る際に "ワレモノ" 扱いにしてもらっても、追加料金がかかるわけではない。これは、ゲーム理論でいうところの絶対優位戦略では? とちょっと思った。たとえ気休めだとしてもね。