sociology

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瀬谷ルミ子, 職業は武装解除

国連や様々なNGO/NPOで活躍されている著者の自伝。NPO/NGOと聞くだけで胡散臭さを感じる向きも多いと思うが、こちらはきちんと活動している方。本書では思想面はあまり深く触れないが、もう少し即物的な各種の団体の渡り歩き方やきっかけの作り方などは学べるところが多い。
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グレゴリー・クラーク(著), 久保恵美子(訳), 10万年の世界経済史 (上) (下)

日本語版の表題は "10万年の世界経済史" となっているが、10万年というbig historyよりも、産業革命の背景やその影響が主題。原著の表題の "A Farewell to Alms" の方が著者のメッセージを正しく伝えているように感じる。ダジャレだが。上巻はマルサスの罠による産業革命以前の停滞が中心。世界各国の人口、出生率、死亡率、生活水準、技術水準、実質賃金の豊富な推移データを元に、短期的な所得の増大が常に人口の増大によって打ち消されてきたことを示す。下巻では、なぜ...
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平康慶浩, 出世する人は人事評価を気にしない

いわゆる人事の仕組みのお話。前著と同様、上昇志向の強い人向けか。勘の良くない人には気付きにくい社内の仕組みや暗黙の了解を身も蓋もなく書いている点は評価できる。出世志向の人は必読。
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溝口敦, 詐欺の帝王

詐欺の帝王と呼ばれた本籘彰 (仮名) の学生時代からの遍歴が中心で、詐欺の具体的な手口の情報はあまりなし。90年代に隆盛を極めていたイベサーが自然にヤミ金や詐欺へと繋がっていく流れは実に興味深い。またその背景にある暴力団関係者との付き合いも、多分に週刊誌的な内容ながら読み物として楽しめる。
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株式会社富士ゼロックス総合教育研究所(企画・編集), 組織のなやみ研究所 なぜ、戦略を実行するのはむずかしい?

どの企業でも "戦略" を立てているはずなのだけれど、それを実行するのがいかに難しいかは周知の通り。ではそれがなぜ難しいのかを深掘りしたのが本書。世の中に "戦略" の立て方を解説する本は多いが、その実行の難しさを論じた本は意外に少ない。その点に絞った目の付け所は見事。
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チャールズ・マレー(著), 橘明美(訳), 階級「断絶」社会アメリカ 新上流と新下流の出現

ここ50年間 (1960年~2010年) で米国に新たに生まれた新上流と新下流という階級。彼らが互いに交わらなくなっている様子やそれが引き起こす様々な問題を豊富なデータで裏付けていく。翻訳の質が高いのも嬉しい。
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福井遥子, お客さまの “生の声” を聞くインタビュー調査のすすめ方

著者はユニ・チャームでマーケティングを担当していた方。内容はやや初歩的ではあるが要点をきちんと押さえており、これからインタビュー調査を始めようという人にはおすすめできる。
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森ヨシユキ, アダルトビデオ「裏」の世界

アダルトビデオの世界の特に制作や流通側の裏話。最近はAV女優側に焦点を当てた本が増えているが、制作・流通に絞ったところが特徴的。週刊誌的な内容が多いので信憑性には注意する必要があるが、昨今のアダルトビデオ配信サイトの資本関係等を知るきっかけには良い本。
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橘玲, バカが多いのには理由がある

プレイボーイ誌の連載をまとめたもの。元が短めのコラムなので、まとめて読むと雑多な印象が否めない。やや時事ネタが多いのも難か。語り口はいつも通りの橘玲で、ファンには楽しめる。
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ウイリアム・ブロード(著), ニコラス・ウェイド(著), 牧野賢治(訳), 背信の科学者たち 論文捏造はなぜ繰り返されるのか?

STAP細胞の騒動を受けて緊急出版されたという触れ込みだが、話題に合わせて急遽でっち上げた様ないい加減な本ではない。原本は1982年の出版で、過去に邦訳も出ていた本を新装したもの。捏造問題は決して科学者個人の資質によるものではなく、構造的に不可避な問題であることがよく分かる。出世主義、盲信、師弟関係の圧力などの多くの要因から逃れるのは決して容易なことではない。事実、歴史的な科学者達の論文にも捏造の跡が多数発見されているのだ。