sociology

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田中淳夫, 割り箸はもったいない? 食卓からみた森林問題

森林を破壊しているということで叩かれている割り箸。 その割り箸が本当に環境破壊の元凶なのかを追ううちに、舞台は吉野から中国・ロシア、果ては欧州まで広がりを見せる。最後は日本の林業の未来への提言まで含んだ力作。
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ジェフリー・ムーア, 川又政治(訳), キャズム

積ん読になっていた少し前の本を読み終える。 マーケティングや販売手法などは今の仕事に直接関係しないが、テクノロジー・ライフサイクルの考え方は頷けることが多い。
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森達也, 世界を信じるためのメソッド ぼくらの時代のメディア・リテラシー

昨日に続けてメディアリテラシー本を読む。こちらも子供向けを意識した本で、流して読めば小一時間で終わる分量だが、きちんと読むと内容は濃い。 元テレビ屋の森氏だけあり、テレビの内情と問題点に対する考察は見事。
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吉田一郎, 国マニア 世界の珍国、奇妙な地域へ!

世界中の奇妙な52ヶ国をピックアップした雑学本。 国ごと音信不通になったナウル共和国、女人禁制の聖山修道院自治州、領土を持たないマルタ騎士団などなど。これらをみていると、世界の国家という枠組みが実に危ういものに見えてくる。
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西原理恵子, できるかなクアトロ

以来3年半ぶりの "できるかな" 。 今回のメインのヒジュラ (インドのおかま) 編、高須院長編、恐竜発掘編は相変わらず。今回はさらに、小学6年生に連載されていたとは思えない内容の "人生一年生" と、先生の美術予備校から美大時代を描いた "パチクロ" がおすすめできる。
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栄陽子, 留学で人生を棒に振る日本人 “英語コンプレックス”が生み出す悲劇

アメリカの大学を卒業したのに就職できない、そんな留学の間違いをまとめた本。これから留学を考えている人には参考になるであろう情報が多い。 たとえばアメリカの大学のシステム。一口にアメリカの大学と言ってもリベラルアーツ・カレッジとコミュニティ・カレッジでは全く設立された背景や目的が異なり、当然のことながら教育内容も大きく異なる。 また、あまり良心的とは言えない留学エージェントの現状も参考になる。こちらは、不安ならば著者の栄氏の経営する「栄陽子留学研究所」へ、というメッセージが少々...
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河内孝, 新聞社 破綻したビジネスモデル

著者の河内氏は元毎日新聞の常務取締役とのこと。内部の人間だけあって、今までの部数至上主義が招いた弊害や押紙問題はよくまとまっている。また、多くの紙幅をさいている新聞とテレビの系列化によるメディアの独占問題も興味深い。 しかしながら、提示される未来像は今ひとつ。毎日、産経、中日を中心とし、読売、朝日に続く第三勢力を作るという私案はさすがに所々に無理を感じる。また、ネットとの競合については申し訳程度に触れられているだけなのが残念。
comic

ホイチョイ・プロダクションズ, 気まぐれコンセプト クロニクル

寝る前に少しずつ読んでいたがようやく終わった。この値段でこのボリュームはお得感がある。 私の世代と業界からはあまり共感できるものではないが、読み物としては面白い。ただし下ネタが多いので、嫌いな向きはご注意を。
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小室直樹, 論理の方法 社会科学のためのモデル

論理 (ロゴス) を使いこなすために必要なモデルの作り方を、多数の例を用いて説明している。そのモデルの例は、マルクスのモデルに始まり、経済学のモデル、ケインズ・モデル、一神教モデル、丸山真男教授の日本政治モデル、平泉澄博士の国史モデルと幅広く、小室先生の博識ぶりにいつもながら圧倒させられる。もちろん、小室先生の軽妙な語り口も健在。おすすめ。
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渡辺千賀, ヒューマン2.0 web新時代の働き方(かもしれない)

テクノロジー・ベンチャー・シリコンバレーの暮らしで有名な浦辺千賀さんの作品。 現在のシリコンバレーの空気を伝える本だが、そのうちのいくらかはいずれ日本にも伝わってくるのだろうと感じる。 大量の脚注は内容は面白いのだけれどちょっとテンポがそがれる感じなので、構成を工夫して欲しかった。