subculture

book

大鐘良一, 小原健右,ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験

主にJAXAの宇宙飛行士選抜試験に密着したドキュメンタリ。元々JAXAは宇宙飛行士選抜試験の取材に積極的ではなかったが、NHKスペシャルで初めてその扉が開かれた。本書はその副産物に当たる。世間一般の宇宙飛行士のイメージというと、よくわからないけれど何か優秀な人といったところだろうが、その実態は大きく異なる。もちろん優秀であることに疑いはないのだが、それ以上に情熱や協調性、仲間を思いやる心が何よりも重視される。これは考えてみれば当たり前の話で、宇宙という閉塞環境で様々な国のメン...
comic

渡波郁, マンガでわかる株のキホン お嬢様 投資をはじめる! (1) (2) (3)

きちんとわかっている人の書いた投資入門マンガ。ところどころに "わかっている" というのがにじみ出ている。特に、超過収益がそう簡単には得られないという説明を徹底しているのが良い。素人が簡単に思いつくような必勝法がことごとく論破されているのが心地良い。マンガ部分の質も良い。
game

Baba Is You

元はSteam版だがiOSでもリリースされているのでそちらで遊ぶ。レベルエディタが省略されているが、手軽に遊ぶのならばモバイル版だろう。一見倉庫番風のパズルだが、ブロックを並べて文章を作ることでゲームのルールを根底から変えられるのがミソ。このルールだけ見ると解法の自由度も高そうに見えるが、実際は唯一の解を探すステージがほとんど。出題意図を汲み取って推理することとなる。難易度は極上で、ひらめきが生まれるまで一つのステージに何日もかかるのもザラ。それだけに解けたときの喜びもひとし...
book

西村晋(著), 井上純一(イラスト), 中国共産党 世界最強の組織 1億党員の入党・教育から活動まで

中国共産党と聞くと党大会のニュースで見る党中央ばかりが思い浮かぶが、それは中国共産党の頂点の部分に過ぎない。日本の報道によくある中国共産党の組織図も最上層部のみに過ぎず、実際には1億人に迫る一般党員が何層もの階層を形成して中国共産党を支えている。これだけの巨大組織をトップダウンだけで動かすのは不可能であり、ビジョンを共有して人の和 ("人和" は孫氏にも出てくる言葉であり中国の組織にも馴染みが深い) を成す必要がある。この部分を担う仕組みが中国共産党には内蔵されており、党中央...
comic

施川ユウキ, 鬱ごはん (5)

前巻に引き続きコロナ禍の中でのフードデリバリー編。時事ネタを取り込みながらもどこか普遍的な感情を揺さぶってくる独特の作風は健在。
comic

ダイアナ, 夜のことばたち

Twitterの有名アカウント、ダイアナの投稿漫画を単行本化したもの。水商売系の闇を描いた作品で、これもTwitter文学と言えるかもしれない。
book

小澤一雅, 卑弥呼は前方後円墳に葬られたか 邪馬台国の数理

細々と続いているマイブームの邪馬台国もの。やはり専門外の方の作品が面白い本書も考古学ではなく情報工学を専門とする大阪電気通信大学教授の手によるもの。専門を生かし、歴代天皇の在位年数を数理的に分析し、正しい崩年を推定しようというアプローチは面白い。
game

7 Days to End with You

未知の言語を推理していくなかなか野心的なゲーム。マルチプラットフォームで提供されているが、iOS版でプレイした。ただし、iOS版は新規エンディングが収録されてないとのことなので、PCの前に座ってじっくりプレイできる人はSteam版を選んだ方が良いかもしれない。。ストーリーの詳細はネタバレになるので書かないが、言語の推理ありきのシナリオに感じる。周回を前提とした作りも少々退屈。それでも言語の推理という独自の要素には魅力があり、ピタリと当てはまる言葉が見つかったときの快感は素晴ら...
book

黒木真生, 誰が麻雀界をつぶすのか

Mリーグにより空前のブームを迎えている麻雀界に対する提言コラム。プロ雀士のあり方を徹底してエンタメの視点から論じているのは新鮮。競技麻雀を始祖とする従来型のプロ雀士とは一線を画している。noteの記事を再編集したものが多いこともあり、ある程度背景がわかっていないの理解に苦しむところがあるのは残念。脚注も何もなく突然固有名詞が出てくるのは、最近の麻雀業界にうとい人間には少々こたえる。
comic

天原, 33歳独身女騎士隊長。 (3)

前巻から実に2年半ぶりの新刊だが、相変わらず内容は申し分ない。完結するのかが心配になるペースだが、ペースを上げる方法もなさそうでもどかしい。