travel

book

小林伸一郎, 廃墟遊戯 Handy Edition

廃墟をテーマとした写真集。廃工場や廃坑が中心で、"工場萌え" にも通じる美がある。は1998年の刊行で、廃墟本としては比較的初期の部類。収録写真も1980年台後半から1990年台中盤頃のものが多い。
book

王超鷹, トンパ文字 生きているもう1つの象形文字

一時話題となったトンパ文字に関する数少ない解説書。本書の後半分はトンパ文字の一覧で占められており、読み物となっているのは前半のみ。その前半も大半はトンパ文字を操るナシ族の風俗の解説や彼らの住む麗江県への旅行記。元々文法がはっきりとせず、その上著者も言語の専門家ではなく美術家のため、言語学的な見地からの解説はなし。旅行記として見ると意外に良い出来。美しい写真はもちろんのこと、日本との類似性に関する考察は実に興味深い。
book

大原利雄, 命からがら 誰も行けない温泉

既に表紙が出オチな温泉ガイド。そもそも観光地化されていない温泉には様々なリスクがある。辿り着くことが困難な場所にあったり、熊の生息地であったり、噴火の危険があったり、有毒ガスが溢れていたり。そんな温泉だけを選んで出かけようという物好き振りが素晴らしい。
diary

韓国大田再訪

前回から実に5年ぶりの韓国大田訪問。今回も羽田から金浦へ。やはり成田へ行かなくて済むのはありがたい金浦からソウルへのアクセスはKORAIL空港鉄道が便利前回利用した地下鉄よりも近くなり、20分ほど韓国の鉄道の利用にはT-Moneyが便利駅の切符売り場ではなく、駅内のキオスクで売っている最初にカードを入手するときはデポジットとして3,000ウォンが必要チャージもキオスクで現金を渡してお願いする地下鉄は現金よりもT-Moneyの方がわずかに安いソウルから大田への移動はKTX現在は...
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石井光太, ニッポン異国紀行 在日外国人のカネ・性愛・死

在日外国人にスポットを当てたルポタージュ。著者が過去に海外の貧困をテーマに掲げたノンフィクションを書いていたのと関係するのかもしれないが、在日外国人一般ではなく貧困層を選択的に取材している様に感じる。それらを週刊誌的な記事と割りきって眺めるのには良い。
book

山本皓一, 日本人が行けない「日本領土」 北方領土・竹島・尖閣諸島・南鳥島・沖ノ鳥島上陸記

日本の離島を扱っているが、興味本位での上陸ではなく領土問題に関する政治的なメッセージを強く含む本。2007年の著作だが、今の情勢から見てもあまり古くなっていない。第1次安倍内閣時代の安倍総理を含む、領土問題に関連の深い政治家との対談を多数含んでいるのも特徴。
comic

海東鷹也, 怪しい世界の歩き方

三才ブックスか鉄人社の本かと思って読み始めたら彩図社だった。海外旅行エッセイマンガなのだが、異常なまでに行動力のある格闘家という時点で面白くないわけがない。トラブルを招きやすい体質らしいのも良い。
book

高野秀行, 神に頼って走れ! 自転車爆走日本南下旅日記

自転車旅行記として期待して読み始めたが今ひとつ。楽屋ネタが多く、旅先で訪れる相手も著者の知り合いが大半なので、初めてこの著者の本を読んだ自分には置いてけぼり感がある。著者のシンパならば楽しめるのかもしれない。
comic

泉昌之, 食の軍師 (2)

食の軍師の続編は唐突に旅グルメマンガに。掲載誌が変わった影響か。従来のディテールにこだわり抜く面白さは少し後ろに引っ込んでしまったが、ご当地グルメの紹介や地元客との微妙なふれあいも面白い。
book

冬野花, インド人の頭ん中

インド在住の著者によるエッセイ集。すべて体験に基づいた内容なのでリアリティ十分。ただし、インド文化に対する背景知識が浅いためにどうしても表面的な話になりがちなのが難点か。読み物としては文句なし。