行動経済学者の視点からスポーツを読み取ろうというという試み。プロのスポーツ選手も審判員もクラブの幹部たちも皆、行動経済学の言うところの損得勘定に (無意識のうちに) 縛られていることがよく分かる。
特に興味深いのは多くの紙幅を割いているホームスタジアムの優位性の原因。今まで良く言われていた通念の数々、観客の声援や遠征の疲れ、本拠地への慣れがほとんど影響していないことを解き明かすくだりは実に痛快。
全体としてデータもしっかりしており、読み物としても文句なしに面白い。強いて難を挙げればNFLの話題が多く、あまり興味のない日本人には理解しにくそうなことか。それでも、セイバーメトリクスなどに興味のある人ならば迷わず読むべき本。おすすめ。
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