ToodledoからTodoistへの乗り換えた理由

ToodledoからTodoistへの乗り換え

GTDを始めてから長い間Toodledoを使用してきたが、この度Todoistに乗り換えることとした。

乗り換えに至った理由は以下の通り。

シンプルさと機能のバランス

長年Toodledoを使用してきて地味ながらストレスだったのは、その多様なFieldからなる複雑さだった。もちろんToodledoもそんなことは承知していて、不要なフィールドは隠してシンプルに見せることができる。しかしそういった技を駆使してみても、複雑さをとりあえず目の届かないところに押しやっただけという印象が拭えなかった。悪く言えば、運用の仕方をユーザに丸投げしているオプションおばけであった。そういった設計になっている理由はエンジニアの端くれである自分にはなんとなく想像がつく。Toodledoは本質的にカード型データベースを提供しているのであり、あとはユーザが好みに合わせて使ってくれという思想が根底にあるのだろう。

一方、Todoistはかなり割り切った作りで、Todoistの考えるベストなTodo管理に特化している。タスクはフォルダ分けできて、期日が設定できて、優先度やラベルがつけられるが、それだけだ。そもそも隠すほどの雑多なFieldがあるわけでもなく、期日前のために現時点では実行できないタスクを隠す機能すらない。そのシンプルさの報酬として、直感的な操作と、迷子にならないインタフェースと、洗練されたデザインを手に入れた。

また、Toodledoは基本のタスク管理以外にNotes, Outlines, Lists, Habitsなどの様々な関連ツールをリリースしているが、それらをまったく使わない人間にとっては、それらがiOS用アプリの一等席に座っている (しかもこちらは隠す方法もない!) のは許しがたいものがあった。この点も、Todoistはタスク管理のみに絞り込んだ必要十分な作りと感じた。

もちろん、Toodledoの高いカスタマイズ性に魅せられているユーザも多いだろうし、完璧に使いこなせればあらゆるかゆいところに手が届くツールとなりうるのも事実だ。しかし、自分にとってはそこまでタスク管理に労力を割くことが難しかった。

マルチデバイス

ToodledoはiOSやAndroid向けには専用アプリをリリースしているが、WindowsやMac向けには専用アプリがなく、ブラウザから利用する必要がある。このPC用のネイティブアプリがないというのは、毎日数十回数百回と使用する種類のツールでは非常に不便なものであった。厳密には、公開されているAPIを利用したサードパーティ提供のアプリがあり主要なものは試してみたが、常用に耐えるものは見つけられなかった。

この点、Todoistはマルチデバイスのサポートに力を入れており、WindowsやMac向けのネイティブアプリを提供している。このおかげで、必要なときにいつでもショートカット一つで呼び出して瞬時にタスク確認したりを追加したりできる。もちろん、iOSやAndroid向けのアプリも提供されており、統一されたインタフェースで操作可能だ。また私は使用していないが、ブラウザの拡張機能も提供されているようだ。

なお、Windows版のTodoistをインストールする際には一つだけコツがある。Microsoft Store版は色々と制約があるため、Windows 10であっても、Windows XP/7/8.1用に用意されている Legacy版のアプリを利用するのが良い。

洗練されたUI

UIは後発のTodoistが一枚上手と感じる。Toodledoも決して悪いUIではないのだが、やはりエンジニアが作ったという印象は拭えない。

Todoistは画面を一目見ても、専門のデザイナが手を入れていることがわかる。シンプルながら美しいデザイン、色使いのセンス (例えばProjectやLabelsには色が設定できるが、素人が選択肢から適当なものを選んでもそれなりに見栄えがする) は毎日使うツールとしてはやはり軽視できない。また、細かなUIも作り込まれており、タスク名を入力する際に日付も一緒に入力すると適当に解釈してくれるのは思った以上に快適だ。

ゲーミフィケーション

ゲーミフィケーションの要素が取り入れられているのもTodoistの特徴。単に一日の目標タスク数を達成できるかを競うだけなのだが、連続して目標タスク数を達成できた期間がlongest streakとして表示されるのがミソ。やはりstreakが途切れると悔しいので、タスクを潰していく原動力となる。もちろん、休暇期間中はこの機能を止められるので安心して休める。タスクごとに重さが大きく異なるのにタスク数だけ見て良いのかと思わないでもないが、ある程度タスク数があれば平準化されるものであるし、これ以上煩雑にすると管理のための管理になってしまうので仕方ないだろう。

こなしたタスクを表示するproductivityの画面で、Projectの色が反映されて可視化されるのも思った以上に効果的。一日の振り返りの際に、今日は勤務先の仕事を頑張った、家の用事をたくさん片付けられた、といったことがひと目で分かるのは非常に気分が良い。

さらに、Karmaという名前で長期に渡るふるまいが数値化されるのも楽しい。Karmaは、タスクを処理したり、streakを伸ばすことで増加するが、予定日を大きく過ぎたタスクがあると減少する。これもTodo管理でよくある居座りタスクの削減に一役買っている。

GTD対応

GTDの実践という意味でも、TodoistはToodledoよりも運用しやすいように感じる。

ToodledoでのGTD実践においてまず悩ましいのは、とりあえず投げ込むInboxが明示的に存在しないことであった。データベース中の各タスクをContext, Folder, Statusなどを駆使してフィルタリングする思想のため、未整理のタスクが放り込まれているInboxを擬似的にしろ実現するには主要なフィールドが設定されていないタスクを抽出するAdvanced Searchを書く程度しか手がなかった。

Todoistは明示的にInboxが設定されており、未分類のタスクをとりあえず放り込むという運用が行いやすい。

一度Advanced Searchを書くだけの差に見えるかもしれないが、データベースの海に一度投げ込んだタスクを再度すくい上げているという違和感は最後まで拭えなかった。

もちろん、TodoistでGTDを実践するには様々な工夫が必要となるのだが、長くなるので稿を改めて書く。

Todoistの欠点

ここまでTodoistを褒め倒してきたが、欠点もある。

まず、課金を前提としたサービスであることは人によっては大きな欠点に映るだろう。無料サービスではラベルもフィルタも利用できず、GTDでは必須となるコンテクストの作成や定期的なレビューにも支障をきたすため、本格的に使用するのならばTodoistプレミアムの契約は必須だろう。とはいえ、1ヶ月の無料プランは用意されているので、まずはこれを利用してみるのも良いだろう。

もう一つ、日本語のフォントが怪しい中国語風のフォントになるという問題があるが、これはバグの可能性が高そう。Windowsの場合は、以下のファイルをリネームしてやると、まともなフォントになる。iOS版の解決策は不明。使用する言語の優先順序を設定しても、明示的に簡体中文を追加して優先順位を下げても解決しない。

%USERPROFILE%\AppData\Local\Todoist\WindowsDesktopApp\locales\en-US.pak

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