お股ニキ(@omatacom), セイバーメトリクスの落とし穴

タイトルからはセイバーメトリクスの問題点を取り上げているかと思えたが、そのような部分はほんの4ページほど。それも、セイバーメトリシャンがデータだけを絶対視しており解釈や切り口を軽視しているという先入観に基づく批判であり、さすがに言いがかりだろう。

本書の大半を占める野球エッセイはほぼエビデンスがなく、ところどころ示される数値も他の研究の借用。そのエビデンスがない点は他の方からも指摘を受けているらしいが、

こうした話をすると「エビデンスはあるのか」「無意味な練習はない」とよく言われるが、見た瞬間に感じるべきだと思う。

こういうことを言うと度々、「エビデンスがない」と批判を受けるが、数字を見るまでもなく普通の感覚でわかることはある。

と開き直っているので、エビデンスよりも自分の感覚を重視する人なのだと思う。自説に都合の良い事例だけを引き合いに出したり、同じ趣旨のことを述べている有名人の発言だけを引用したりすることには熱心なので、それらがエビデンスよりも大事と考えているのかもしれない。曲がりなりにもセイバーメトリクスを扱う本である以上、セイバーメトリクスが野球人たちの感覚をデータで覆しながら発展してきたことに敬意を示しても良いと思う。

野球の見方として面白い視点を持ってはいるので、きちんとデータの裏付けを取れる方の協力を得られれば、もう少し幅広い読者から支持を得られるのではないかと思う。もしくは、データ分析をできる人がネタ探しと割り切って読むには良いのかもしれない。ただし、裏をとっていないと思われることも度々断定しているので、どこまでが事実でどこからが推論なのかが非常にわかりにくい点には注意されたい。

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