キャロル・キサク・ヨーン(著), 三中信宏(訳), 野中香方子(訳), 自然を名づける なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか
生物分類学の歴史を俯瞰する啓蒙書。単純に科学者の視点から最新の科学的分類学を押し付けるのではなく、人間の環世界 (umwelt) センスを基礎とした古典的な民俗分類学に敬意を払っているのに好感が持てる。 人間の環世界は、人間が生物界を認知するための基本的な手段だ。世界中どこに住む人々も、魚、鳥、ヘビ、哺乳動物など、共通した生物のグループ分けを持つ。人々はさらに、よく似た生物は兄弟として扱い、生物の姿が連想されるような名前をつけ、民俗分類の属を600以下に保ちウィリスのカーブに...