book 浅田次郎(著), 久保吉輝(写真), カッシーノ2! カッシーノ! の続編。今度の舞台はアフリカとラスベガス。ラスベガスはともかくとして、なかなか日本人には馴染みのないアフリカのカジノ事情は実に興味深い。所々、スノッブなところが気になるが、それもこの著者の味だろう。ギャンブル指南書としてはあまり役に立たないので、あくまでもエッセイとして。 2013-11-18 book
book 清水英斗, サッカー「観戦力」が高まる 非常に "文系的" なサッカー解説書。体系的な知識ではなく細かな蘊蓄を得るための読み物。"ドリブルを観る7の視点" や "キック&トラップを観る6の視点"、"パス回しを観る15の視点" など13章からなるが、それぞれの視点を束ねる全体像が一切無いので、その13章で重要な視点の大半を網羅できているかがわからない。全ての視点が定性的なものばかりで、定量的な評価は一切ない。一応各視点に当てはまる事例が一つ二つは挙げられているが、それが一般的なものであるか特殊事例であるかはわからない... 2013-11-17 book
book 海野十三, 麻雀殺人事件 "麻雀" 殺人事件という表題だが、麻雀は添え物程度。海野十三が趣味の麻雀を少々強引に帆村荘六シリーズに取り込んだのだろう。紙幅の制約もあり、トリックも推理も特別に魅力あるものではないが、麻雀ファンならば押さえておくべき作品か。 2013-11-16 book
book 南部修太郎, 麻雀を語る 南部修太郎が改造誌に寄せた小編。こういった歴史的な作品が手軽に読めるのは非常にありがたい。決して一般の人が読んで面白いものではないが、麻雀史に興味のある方ならば一読して損はない。当時の上海の麻雀事情に加え、国内の文化人の間での麻雀交友関係も垣間見える。 2013-11-15 book
book いとうあゆみ, お遍路小娘 歩き遍路をテーマにした同名のblogを書籍化したもの。やや文章の幼さが気になるが、軽い読み物としては上々。あくまでもエッセイのため、実際に歩き遍路をしようという人に役立ちそうな装備の情報などはほとんどなし。写真が多めだが、縦横比がややおかしい箇所がある。手元のKindle Paperwhiteのせいかは不明。 2013-11-14 book
book 高橋洋一, バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる 負債だけではなく資産の部分も併せて見ることで、日本政府や特殊法人の実態を精査しようという試み。"バランスシート" と書かれているものの、会計で言うところの正規のバランスシートを扱ったものではないので注意が必要。所々に入っている恨み節が気になるが、読み物としては及第点。最終章の国際政治の話題は本書のスコープから逸脱している様に感じる。 2013-11-13 book
book 麻耶雄嵩, 痾 夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) の実質的な続編。といいつつも、繋がりはやや大人しめ。相変わらず後味が悪い作品。麻耶雄嵩らしい豪快な仕掛けから来るカタルシスはあるものの、やはり腑に落ちない部分が多い。文章としては前作よりやや読みやすくなっているように感じる。 2013-11-12 book
product かつおぶし削り オカカ 数年間迷った末についに購入。挿入する鰹節の面だけは気にする必要があるが、その他は何の技術もいらない替え刃の交換以外、ほぼメンテナンスフリーなのもありがたいハンドル込みだと意外にかさばる点には注意が必要 2013-11-11 product
book 中村淳彦, デフレ化するセックス AV女優を始めとしたセックス産業のドキュメンタリー。従来の著作と異なるのは、デフレ下で貧困状態に陥っているケースが多い実態にフォーカスしていること。当事者へのインタビューを元に可処分所得などを推計していくスタイル。インタビューはあまり裏を取らずに発言をそのまま信用しているように見えるので話半分で。 2013-11-10 book
comic 谷口ジロー(画), 夢枕獏(作), 神々の山嶺 (1) (2) (3) (4) (5) 全巻一気読み。文句なしに面白い。ジョージ・マロリーのカメラの謎 (本作の執筆は1999年のMallory and Irvine Research Expeditionによる遺体発見前) がストーリーの軸となっているものの、それが霞むほどに登山家達の生き様が濃く描かれている。森田勝や長谷川恒男をモデルとした登山家達の想い、氷壁の登攀、山中での食事など、どの描写をとっても一級品。おすすめ。 2013-11-09 comic