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中西準子, 食のリスク学 氾濫する「安全・安心」をよみとく視点

著者の提唱する食リスクとは、いわゆるハザード比ではなく、個人の感受性 (NOAEL) の確率密度分布を考慮して発病確率に換算したもの。これにより固定的な感受性閾値では表現できない集団の発病確率を正確に見積もれることになる。中盤以降は対談に多くのページが割かれている。高橋久仁子や松永和紀など、豪華な面々。
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佐藤洋一, BASIC800で書ける! 理系英文 使うのはいま覚えている単語のみ! だれでも学べるカンタン英語

表題にもなっているBASIC800は制限言語の一種だが、無理に語彙を制限する種類のものではなく、3Cs (Clear, Correct, Concise) を満たすためならば専門用語の柔軟な使用を認めるなど極めて実用的な内容。英作文の教本としてみた場合、原文解釈や和文和訳 (和文を英訳する前段階として、英訳しやすい和文に書きなおすこと) に重点を置いているのが特徴的。普段英訳する際にも同じ段階を踏んでいたが、それを自覚させてくれた効用は大きい。説明も平易で非常に読みやすい。特...
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高遠彩子, 蕎麦こい日記

蕎麦屋巡りのエッセイ。蕎麦への愛が感じられるのは良いが、それ以上に蕎麦好きな自分への愛が重い。著者のファンなら楽しめるのかもしれない。
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高野秀行, 神に頼って走れ! 自転車爆走日本南下旅日記

自転車旅行記として期待して読み始めたが今ひとつ。楽屋ネタが多く、旅先で訪れる相手も著者の知り合いが大半なので、初めてこの著者の本を読んだ自分には置いてけぼり感がある。著者のシンパならば楽しめるのかもしれない。
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渓由葵夫(著), 河野嘉之(画), 第二次世界大戦 奇想天外兵器

奇想天外兵器と言っても、いわゆるトンデモな企画倒れのものだけではなく、見た目は奇抜ながらきちんと成果を上げた兵器も多い。参考文献がなく (あとがきに言い訳は書いてある) 出処の不明な話が混ざっている点や、校正漏れと思われる誤記が散見されるのは難だが、読み物として楽しむ分には悪くない。
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Peter Morville(著), Jeffery Callender(著), 浅野紀予(訳), 検索と発見のためのデザイン エクスペリエンスの未来へ

検索に焦点を当てたユーザインタフェース本。デザインを体系的に学べる本ではないが、優れた検索デザインのカタログとしてはなかなか。フルカラーで図版が豊富なのも嬉しい。
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ジャン=ポール・ネリエール(著), デービット・ホン(著), 一般財団法人グローバル人材開発(訳), 世界のグロービッシュ 1500語で通じる驚異の英語術

非ネイティブ向けの英語として提唱されているGlobishの紹介本。原書のに対訳を加えた形なので、これ一冊で原文もそのまま読める。非ネイティブでも制限された英語で十分なコミュニケーションがとれるという主張は良いのだが、類似品のBasic Englishやplain Englishとの差異が分かりにくく、新しいものを作る意義がよく分からない。
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大和田秀樹, ムダヅモ無き改革 (9)

気がついたらシリーズも9巻目。帯によるとシリーズ累計200万部突破とか。一発ネタの読み切りがここまで成長したかと思うと感慨深い。ちょうど解散総選挙のタイミングで鳩山ユキヲ戦が完結。狙ったものか偶然か。獅子の血族編は伏線を大量に残したままの完。次巻からは新章へ。特装版の存在を知らずに通常版を買ってしまった。特装版の付録は不明。
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西原理恵子, できるかな ゴーゴー!

前作から実に5年ぶりの単行本。今回も高須院長とのネタを中心にバンドに挑戦、棺桶づくりなど盛りだくさん。そんな体を張った笑いの合間にきちんと泣かせるネタを入れてくるあたりのバランス感はさすが。
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柳沢有紀夫(編), 値段から世界が見える! 日本よりこんなに安い国、高い国

海外書き人クラブのメンバーが各国の生活を値段の視点から綴ったもの。様々な国で実際に生活している日本人の実感溢れるレポートは読んでいるだけで楽しい。