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西田圭介, Googleを支える技術 巨大システムの内側の世界

著者はGoogleの中の人ではないので、論文などの公開情報からGoogleの中身を推測するスタイル。Googleの柱である大規模分散ストレージの解説に多くのページが割かれており、Google File SystemのみならずBigtableやChubbyまで含めた全体像を知ることが出来る。もちろん、その上でのMapReduceを用いた分散データ処理の解説もあり。また後半のGoogleの運用コストについての章が実に面白い。Googleがコストの観点から安価なPCを用いたクラスタ...
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リアル・リッチの世界 講談社MOOK セオリー vol.9

資産運用の話を期待して読んだが、少し期待はずれ。プライベートバンカーの説明なども通り一遍で、あまり新しい情報がない。
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データスタジアム(企画・編集), 野球の見方が180度変わるセイバーメトリクス

セイバーメトリクス的な視点で2007年度の日本プロ野球の結果をみるとこうなる、という本。特に目新しい指標が提案されているわけではないが、有名どころの指標は一通り押さえられているので、セイバーメトリクス入門用にはおすすめできる。ただし、算出が面倒な指標 (Win sharesなど) の説明はかなり大雑把なので、そのあたりは専門書を併せて読む必要がある。
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椎橋章夫, 自動改札のひみつ

一冊まるごと自動改札についての本。あまり類書がないので嬉しい。著者はJR東日本の中の人のため、どちらかと言えば鉄道屋からの視点。なので、IT屋からみると少し不満な点も。情報のフォーマットなどの一番面白そうなところが "詳細については、セキュリティ上説明を省略する" として簡単にスルーされているのが残念。仕方ないが。諸外国の自動改札との比較が実に面白い。日本の特殊事情であるラッシュ時の膨大なトラヒック (45~60人/分を想定して設計しているとのこと) をさばくために、様々な工...
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安岡孝一, 安岡素子, キーボード配列QWERTYの謎

恥ずかしながら、私も本書を読むまでは「タイプライターのアームが絡むのを防ぐために、打ちにくいQWERTY配列が作られた」という俗説を信じていた。本書は、タイプライターやテレタイプの歴史を丹念に追いかけることで、その俗説が誤りであることを示してくれる。また、その誤りを正すだけにとどまらず、件の俗説がどのように生まれ、一人歩きしてきたかについても徹底した調査を行っているのが興味深い。圧巻なのはその参考文献の量。500件近くの文献を調べ上げた労力には素直に脱帽させられる。キーボード...
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根本敬, 湯浅学, 船橋英雄, 豪定本 ザ・ディープ・コリア

1994年刊のに、日韓ワールドカップを控えた2002年頃の韓国に関する記事を加えたもの。579ページのボリュームは読み応え充分。定本ディープ・コリアの部分が圧倒的に面白い。ケンチャナヨ (気にすんな) 精神を体現したレイアウトはさすがにアレだが、当時の韓国の空気が嫌というほど伝わってくる。
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小室直樹, 経済学をめぐる巨匠たち

経 Keiに連載していた "経済思想ゼミナール" をまとめたもの。ロック、スミス、リカード、ケインズといった経済学の巨人達の業績を追うことで、経済学の大きな流れをつかむことが出来る。本書では、経済学の世界を古典派とケインズ派の対立とみなし、さらにその差はセイの法則が成立するか否かであると看破している。いつも軽快な、それでいて本質をズバリとつく小室先生の語り口も健在。おすすめ。
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R.H.R.アンホルト(著), 鈴木炎(訳), I.S.リー(訳), 理系のための口頭発表術

近頃は何かと口頭発表をする機会が増えているので読んでみる。単純なパワーポイントの作り方にとどまらず、服装から壇上での技術まで一通りのことが押さえられている。タイトルには "理系のための" とあるが、あまり理系依存とは感じられない。各所に出てくる例題が生物学のものであるくらいか。これが素人にはややわかりにくいのが難か。
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谷岡一郎, 図解 ツキの法則

基本的にはの内容をベースにしており、新しい情報はほとんどない。しかしながら、元が良書な上に多くの図版が加わったことではるかに読みやすくなっているため、これから初めて読む方はこちらの方がおすすめ。
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北沢慶, グループSNE, ソード・ワールド2.0 ルールブック I

今時 "2.0" という名前もいかがなものかと思うが買ってみる。旧作は1989年の発売なので、実に19年ぶりの大幅改定。システムだけでなく世界観も大きく変更しており、その意気込みが伺える。文庫での発売は嬉しいが、近所の大型書店に富士見ドラゴンブック自体がほとんど置かれておらず見つけるのに苦労する。富士見ファンタジア文庫は一山あるのに横書きになったのは地味に嬉しい装丁も挿し絵も今風のアニメ調になってしまったのが寂しい安田均、水野良、清松みゆきはスーパーバイザーの位置に下がり、北...