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谷岡一郎, データはウソをつく 科学的な社会調査の方法

いわゆるリサーチリテラシー本。一般向けの本のため色々と端折っているところがあるので教科書的に使える本ではないが、世の中で行われている社会調査のいい加減さを知るには良い本。所々に挿入されるいしいひさいちのマンガもいい味を出している。おすすめ。
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麻倉怜士, やっぱり楽しいオーディオ生活

大人向けのオーディオ指南書ということで、若い頃にステレオに感動したけれども再び音楽を楽しみたい、といった人々がターゲットと思われる。本書中で取り上げられる機材も、そういったちょっと懐に余裕がありそうな人向けのものが中心。オーディオの音を良くする方法が色々と述べられているのだが、主観的な評価しか行っていないようなので (もしかしたらきちんとブラインドテストなどを行っているのかもしれないが、本文中からは読みとれない) 、どうしてもオカルトにしか見えない。
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門倉貴史, ワーキングプア いくら働いても報われない時代が来る

ワーキングプア (働く貧困層) にスポットライトを当てた本。統計データもしっかりしているが、それ以上に生々しいインタビューが強烈な印象を残し、この問題が他人事ではないことを感じさせる。ワーキングプア問題を考える際にまず読むべき本。
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石畑恭平, コンピュータ麻雀のアルゴリズム AIインターフェイスと思考ルーチンを作る

半分くらいは、"まうじゃん for Java" 用の麻雀AIを作成するのに必要なインタフェースのマニュアル。将棋やチェスの世界と異なり、麻雀ではAI同士を対戦させるという仕組みが整備されていなかったが、これで状況が改善されると楽しくなりそう。残り半分がお目当ての思考ルーチンの解説。サンプルプログラムという位置付けなのでそれほど凝ったものではなく、比較的シンプルな評価関数ベースのアルゴリズムのみ紹介されている。とはいえ、書籍の形で読めるものは少ないのでありがたい。
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川村卓, 中村計, 徹底データ分析 甲子園戦法 セオリーのウソとホント

最近は野球を統計的に処理する手法がいろいろと検討されているが、これは高校野球を対象とした本。高校野球の分析をまとめた本は少ないのでその点は評価できるが、分析はかなりお粗末。バントや盗塁の有効性を検証する際に、セイバーメトリクスで重視される得点期待値ではなく、なぜか得点率を使用している。理由は不明。また、強攻策との比較の際にバントや盗塁のみ成功時のデータを抜き出しているところがあるが、成功率と、成功・失敗それぞれの結果を総合的に捉えないと意味がない本書で示される得点確率表はおお...
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勝間和代, 決算書の暗号を解け! ダメ株を見破る投資のルール

恥ずかしながら、今まで株式投資をしていたものの、財務諸表の読み方が全くわからなかった。主にインデックスに投資していたため、あまり困ることはなかったのだが、さすがに少しは勉強しようと手に取った。本書は決算書、特に損益計算書が企業の都合で (合法的な範囲であっても) どれだけ操作可能かを見せつけてくれる。また、キャッシュフローを合わせて見ることで、その操作を見抜く方法も。この手の本にしてはかなりわかりやすく噛み砕いてある方だとは思うが、それでもやはり自分の様な素人には引っかかると...
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SPA! 1月15日号

人生で初めてSPA!を買った。もちろんお目当てはこれ。
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田中優, A SEED JAPANエコ貯金プロジェクト, おカネで世界を変える30の方法

A SEED JAPANのメンバーが社会的責任投資を紹介する本。彼らのようなNGO/NPOの考え方を知るためには良い本だと思う。しかしながら、本当に彼らの言う仕組みを実現した際にどれだけ負の効果が出てくるのかの踏み込みが浅く、良い面だけが取り上げられている様に見える。
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ファミ通DC編集部, セガ・コンシューマー・ヒストリー

SG-1000からドリームキャストまでの、セガの家庭用ゲーム機器をまとめたもの。中の人のインタビューも多く、当時の時代背景や、セガの社風も伺える。
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村上春樹, 走ることについて語るときに僕の語ること

すごく久しぶりに村上春樹の本を読んだ。「ダンス・ダンス・ダンス」を執筆する頃から走り続けているランナーであることはファンの間では有名だと思うが、その走ることにフォーカスした書き下ろしのメモワール。走ることが、小説にどのような影響を与えてきたのかが垣間見える。