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鯖田豊之, 日本人の戦争観はなぜ「特異」なのか 日本と欧米の比較にみる戦争と人間の風土

肉食の思想と同じく40年前の本の復刊だが、これも全く古さを感じない。鯖田先生の専門である西洋中世史の知識に基づき、欧米の戦争史を眺めることで、日本と欧米の戦争観の違いを探る。そもそもの近代国家の成立までの道のりが全く異なる以上、戦争観が食い違うのも当然のことのように思える。また、後半は「死」の概念について、日本と欧米の違いを探っているがこれも興味深い。改めて、自分の死生観が日本人のものであることを認識する。
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北村慶, 外資ファンド 利回り20%超のからくり

ファンドと言っても株式や債権を対象としたいわゆる投資信託ではなく、企業再生ファンド、不動産投資ファンド、ヘッジファンドなどの投資ファンドの話。もはや世の中全てのものが投資対象となっている投資ファンドの世界で、何が儲けの源泉となっているのかがよくわかる。また、それらの投資ファンドを評価する上で必須となる、IRR (内部収益率) に基づいた利回りの算出なども一通り解説されているので、ほとんど予備知識なしでも読める。このあたりは結構数字が出てくる内容なので、出来れば横組みにして欲し...
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ダン・S・ケネディ(著), 金森重樹(監修), 池村千秋(翻訳), 常識の壁をこえて

読むととりあえず出来る気にはなる本。著者の自慢話がうっとうしく感じるところもあるけれど。"「クリエーティブであるべし」のウソ" という項目だけは素直に共感できた。自分は研究職の端くれという、多少なりとも "クリエーティブ" であることを求められる職についているが、それでも本当に "クリエーティブ" な作業というのはあまり多くない。仕事の大半はあたりまえの事を確実にこなすことで、それが僅かな "クリエーティブ" な作業よりも遙かに大事だと感じる。
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新城カズマ, ライトノベル「超」入門

ライトノベルという言葉を聞くようになったのはいつ頃からだろう。おそらく富士見や角川のあの辺を指すものらしいとは認識していたが、この言葉を聞く頃にはほとんど作品を手に取ることもなくなっていた。まあ、もともとどちらかといえば社会思想社や早川 (この辺はおそらくライトノベルではない、と思う) の方を読むことが多かったのだけれど。そんな私にライトノベルの流れを教えてくれた一冊。また、本書中で触れられている少女マンガからの影響については今まで全く意識していなかったところで興味深い。この...
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久世番子, 暴れん坊本屋さん

本屋の内情暴露マンガなのだが、これが面白い。2巻まで一気読み。基本的にはギャグ漫画でありながら、取次の問題なども堂々とえぐっているのは素晴らしい。なお、一部に腐女子な表現があるので苦手な人は注意。
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橘玲, 臆病者のための株入門

橘玲氏の最新作。結論から言うとインデックスに投資しろというパッシブ投資推奨。これが、ゴミ投資家シリーズから始まった10年の結論ということなのだろう。文章も平易ながらはっきりと意志が伝わってくるいつもながらの橘節で強くおすすめできる。ぜひ過去の著作と併せて読んでいただきたい。
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北村慶, 貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント

よくあるインデックス投資 (市場への投資) 推奨本とかぶるところも多いが、年金資金運用基金の投資を高く評価している点は少々目新しく感じる。年金資金運用基金の運用方法は基本的には市場への広い分散投資であり、長期投資 (インベストメント) を目指す上で十分に参考になる。何かと叩かれることの多い年金資金運用基金だが、昨今の日本の景気回復の波に乗り11兆円もの利益を得ている。これも、株価が低迷している時期にも揺るがない運用を続けてきたことが大きい。
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ドゥニ・ゲージ(著), 南条郁子(翻訳), 藤原正彦(監修), 数の歴史

読み終わるまで気付かなかったが、監修は最近話題の藤原正彦。数が生まれてから近代数学に至るまでの流れを俯瞰できる。特に、数の記録と計算の間のギャップが埋まるまでのくだりは実に興味深い。また、図版の美しさは特筆もの。これを眺めているだけでも幸せな気分になれる。お勧め。
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小川進, 上田バロン, ドクター・オガワに会いにいこう

ボリュームは軽めの絵本形式で、じっくり読んでも1時間だが、マーケティングの入門書としての内容はしっかり押さえられている。上田バロンのイラストも良い。
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巨人軍タブー事件史

巨人の黒歴史をまとめたムック。良くも悪くも週刊誌やスポーツ新聞的な内容で、読むにはおもしろいが、特に新しい決定的な事実が明かされるわけではない。