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虫明亜呂無(著), 玉木正之(編), 肉体への憎しみ

すでに絶版になっている本ですが、ふるほん文庫やさんで入手しました。"海の中道" という、マラソンをテーマにした短編が良いです。マラソンという小説にしにくい題材を扱いながら、登場人物の人間ドラマなどに逃げず、マラソンというスポーツそのものを描ききっています。
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ロバート・アーリック, トンデモ科学の見破りかた もしかしたら本当かもしれない9つの奇説

「トンデモ〜」というタイトルがついていますが、と学会とは一切関係ありません。原題は "Nine Crazy Ideas in Science" で、こちらの方が内容をよく表しています。トンデモという語はセールス用につけられたものかと思います。本書は、一見トンデモに見えるいくつかの仮説について検証していくというスタイルです。特にお勧めは、「石油、石炭、天然ガスは生物起源ではない」という仮説で、石油は化石燃料ではなく地球の地殻やマントルからしみ出してくるものであり、埋蔵量は現在の...
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あさりよしとお, まんがサイエンス 9

いつの間にか出ていた。今回は1話完結型で、熱中症などのタイムリーなネタもあり。しかし、このシリーズのように出版間隔が長いコミックは発売に気づかず、買い逃しそうで困る。アンテナのような仕組みが作れないものか。
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ドゥーガル・ディクソン, ジョン・アダムス, フューチャー・イズ・ワイルド

人類が滅びた後の地球の生物を美しいCGで描いた本です。といっても、単なる想像ではなく、きちんと科学的な裏付けがある想像というのが売りです。fukumotoは生物関係は素人なので、どこまで正しいものか (もしくはトンデモな本か) 分かりかねますが、純粋にSFとして読んでも十分に楽しめる本です。
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三浦俊彦, 論理パラドクス 論証力を磨く99問

最近は寝る前にこれをちょっとずつ読んでいます。一つ一つゆっくり考えながら読むべき本で、かつ題毎に区切られているので寝る前にベッドで読むのに適していると思います。内容は純粋な論理の組み立てに加えて答えの出ない思想・哲学的な内容やパズル的な各種パラドクスも含まれており、なかなかバラエティ豊かで飽きさせません。
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ジョン・エンタイン, 黒人アスリートはなぜ強いのか

現在、トップアスリートの多くを黒人が占めている状況についての総合的な解説書です。黒人アスリートが各種スポーツで高いパフォーマンスを示しているのは揺るぎない事実ですが (例えばオリンピック100mの決勝は黒人選手にほぼ独占されています) 、人種差別を極端におそれるかの国ではその話題に触れることは大きなtabooです。本書では、そのtabooに踏み込むために、極力主観的な記述は避け、慎重に事実と信頼性のある研究を選んでまとめています。黒人アスリートが優れている各種の証拠に始まり、...
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片山まさゆき, 牌賊! オカルティ (7), 片山まさゆき, 運王 (2)

2冊とも完結編。片山まさゆき先生の漫画は毎回それなりに安心して読めるので良い。しかし、運王はやはり続かなかったな……。
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小塩隆士, 教育を経済学で考える

実データに基づいた検証よりも、理論が中心な本です。興味深いところだけ下に抜き書きしておきます。この辺のお話に興味があれば買いです。教育は投資と消費の両方の性質を持っている。教育はお金を出す人 (多くは親) と、サービスを受ける人 (多くは子) が異なる場合が多いという点が他のサービスと異なる教育投資がなされるのは不確実性が高いため教育はコール・オプションの購入と近い性質がある教育は本質的に格差を拡大する効果がある
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中村敏雄, オフサイドはなぜ反則か

オフサイドのルールは本来不合理なものです。相手のゴールにボールを入れるのが目的のゲームでありながら、相手のゴール近くで待ち構えるという有利な戦術をとってはいけないというのですから。例えば、オフサイドのないバスケットボールでは、ボールを奪った後、最前線にいる味方へパスを出す速攻は最大の得点機です。しかし、現実にはサッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなど、英国のフットボール起源のゲームの多くがオフサイドのルールを持っています。その有利な戦術をとってはいけない理由について、子...
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バイシクルクラブ編集部, 困った時のMTBメンテナンス

自転車素人から自転車初心者にレベルアップするべく購入。初歩の初歩レベルから写真入りで丁寧に説明されているので、1冊目にはよろしいかと。手軽な文庫版なのもうれしい。あくまでもメンテナンスの技術解説本であり、メンテナンス用品の選び方にはまったく触れられていない。どのメーカーのものが信頼できるのかすら見当がつかなくて困っている自転車素人は、別の本やwebも併せて読む必要がありそう。