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渡邉正裕, これが本当のマスコミだ 社員が教える企業ミシュラン

マスコミ各社の企業情報を、従業員の立場で評価したもの。週刊誌的に読むのなら面白いが、真偽が不明な情報や憶測と思われる内容も多いので話半分で。2005年の出版のため、現在では少し古くなっている点も注意。
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中村天風, 君に成功を贈る

様々な実業家に影響を与えた中村天風の著作 (明記されていないが、おそらく講演録を起こしたもの) 。多くの自己啓発本から参照されている種本だけあり、多くの気付きを与えてくれる。書いてあるのは言われてみれば当たり前のことばかりだが、よくよく考えてみると全くできてないことが多い。著者のペンネームと元ヨガ行者という経歴から宗教めいたものを感じる人もいるかと思うが、実際は宗教色はかなり薄め。アレルギーのある人も毛嫌いせずに読んで欲しい。
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山口揚平, なぜか日本人が知らなかった新しい株の本

比較的初心者向けの投資本。素朴な個別銘柄投資のファンダメンタルズ系で、インデックスなどは名前すら出てこない潔さ。企業価値や割安度の算出方法にやや独自性が見られるが、その有効性の検証は一切無し。バックテストの結果もない。コンサルタントの書いた本らしく、読みやすさだけは見事。
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小林章, 欧文書体 その背景と使い方

欧文書体の解説書は数あれど、書体の成り立ちの根幹である平筆によるカリグラフィから本気で解説してくれるものは珍しい。書体デザインはもちろんのこと、欧文組版の不思議なルールの数々もその根幹を辿ると極めて合理的に発展してきたことがよく分かる。おすすめ。
comic

和田依子, バーサス! 和田依子作品集 (1)

普通のOLから転身してきたマネージャーとAV女優の奮闘劇。今ひとつ感情移入しにくいタイプの主人公ではあるが、マンガとしてはよくまとまっている。元々アフタヌーンの連載なので、性的な表現はかなり控え目。
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太田さとし, 内部告発マニュアル

非常に実践的な内部告発指南本。無闇に内部告発を煽るのではなく、きちんとリスクを考慮した上での最終手段として位置付けているのは良心的か。内部告発以外の職場環境改善の手段も各種論じられているので、内部告発など考えてもいないが少しでも改善できれば、という向きにもおすすめできる。
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清永賢二, 清永奈穂, 犯罪者はどこに目をつけているか

元警視庁犯罪予防研究室長の肩書きを持つ著者による犯罪予防論。何と言っても見どころは経験豊富な犯罪者による解説。彼らがどのような視点でターゲットを選定し、計画を立てるのか、また何を嫌うのかは非常に興味深い。
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佐藤竜一, エンジニアのためのWord再入門講座 美しくメンテナンス性の高い開発ドキュメントの作り方

きちんと構造化された大規模文書を作成するための指南本。Wordの入門書は数あれど、スタイルやフィールドを使いこなすための本は珍しい。チームでドキュメントを管理するための方策が示されているのも良い。例示されているデザインがいかにもエンジニアが作りましたという漢らしいものなのはご愛嬌。
game

Magic 2014 – Duels of the Planeswalkers

Magic: The Gathering - Duels of the Planeswalkers 2013の続編。Magic 2014 - Duels of the Planeswalkers。ルールはMagic 2014準拠Indestructibleがキーワード能力にLegend ruleも少々変更。Annihilationの代わりに残すパーマネントを選択できるようになった遂に土地枚数が調整可能に元々土地が多めに設定されていたため、チューニングできる軽量デッキがやや有利...
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斎藤駿, なぜ通販で買うのですか

ルームランナーや通販生活を世に送り出してきた著者による通販論。当事者目線でカタログ通販の発展の歴史を追った本は貴重。ややロジックの後付け感があったり、小売の視点に偏りすぎているきらいはあるが、当事者の語りというのはそんな欠点を補って余りある迫力がある。文体の妙な軽さと過去の失敗を反省しているようでしていない様子は好き嫌いが分かれるところだろうか。